死線続行
キ――ン コ――ン カ――ン……。
眠る脳を覚ますのに一番効果的、とも言われる授業終了のチャイムが鳴る。
俺も例外ではなく、居眠りしていた授業では、チャイムのおかげでばっと目が覚める。俺、真面目じゃなかったっけ。
6分経つのは早いわけで、考え事はしていたなら尚更のようだ。
肩にかけていた鞄を後ろ手に隠すように持ち、学校の敷地内に一歩足を踏み入れる。
見つかれば即アウトのゲーム、スタート。
と、格好良いことを言ってみたものの、そんなゲームが現実でできるわけもなく授業終了直後、ということもあってか誰にも遭遇することなく、教室の前まで辿り着いた。
なんとも呆気なくて、味気ない。つまらない学校だなー、と思う。
もう少し、サバイバリティーでエキサイティングなことがあってもいいんじゃないか?
やばい、エキサイティングの綴り忘れた。俺は中学生にも劣る脳の持ち主、そういうわけか。
思い出したよ、エキサイティングの綴り。
An exciting story. 俺はそれを御所望だ。
もちろん、度が過ぎれば俺はすぐにリタイアして優雅に紅茶でも飲むけどね。
恐る恐る教室のドアに手をかける。少し手が汗ばんでいるのが自分でも分かった。
これは緊張とか恐怖とかが入り混じっているんだろう。
誰にも、なんとも思われず、視線すらも向けられないまま、自分の席にまで辿り着けますよーに。
神さま仏さま瀬七さまに願をかける。無神論者の俺だってこの時くらい神に頼るさ。
瀬七にはすぐに俺に気づいてもらえるように願をかけよう。
意を決し、手に力を入れ教室の後ろの扉をゆっくりと開く。
カラカラカラ、という小さな音がやけに響き、緊張。