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でいばいyouth  作者: TOKIAME
04 「休日はガールズトークしましょ」
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忘却疾走

「もーもちゃーんかーえろー」



 臨時のHRも終わり、帰る準備をしていると、琴音が声をかけてきた。

 教科書とか色々鞄の中に適当に詰め込んで準備完了。

 教室の後ろの扉であやと琴音がもう待っていて、急いで二人の元に行く。

 三年生の教室は三階に集まっていて、屋上も微妙に遠くて一階から上がるのもしんどい。そんな微妙な位置にある。


 どうせなら、二年の教室がある二階とかキリのいい四階とかにしてほしい。

 あー、でも朝遅刻しそうな時に四階はキツいかなー。

 そんな事を私が会長とかに抗議したところで、何も変わりはしないけど、生徒の意見とか尊重してほしい。

 学校っていうのは民主主義の政治だから一人だけの意見は通されないけど、そういう考えがあるという事くらい

 頭に留めておけ、会長。


 階段を三人で降りる途中、隣で琴音とリあやがわいわいがやがや話している時に、そんなことを考えてみた。

 この頭の中討論もどきを聞けば真面目風に聞こえるかもね。

 実際私は真面目じゃございませんけど。不真面目不真面目。



「あ」


 なんとなく鞄の中を覗き、教室に忘れ物をしたのに気づく。


「どしたのーももちゃん」


 きょとんとしたような顔で琴音が尋ねてきた。

 三人とも階段を下りている途中で降っているから、邪魔になっている。

 通行の邪魔になってとやかく言われたくないあたしは、流れに逆らうように階段を上り始める。


「おい、一条どうしたんだ!?」


 急に階段を上り始めたあたしに驚いたように、あやが慌てて引き止めてくる。ええい、引き止めるでない!

 そんな事を言えるはずもなく足を止めて振り返る。


「教室に忘れ物したの!!」

「何でちょっとキレてるんだ」

「ここで待ってようかぁ?」

「先行ってて。電車遅れたらどうしようもないでしょ。後から走って、できるだけ追いつくようにするから!」


 二人を置き去りにするように走って階段を上り始める。

 じゃあねー、という琴音の可愛らしい声が聞こえるけど、この時ばかりは、無視!

 さっきは一階まで降りる階段の途中だったから、またもう一階分の階段を上らなきゃいけない。

 さっさと上って二人に早く追いつきたいところだけど、下校する生徒で階段は溢れている。

 その流れに逆らっている生徒はあたししかいないから、どうにも進むことができない。



 人と人との間を切り抜けなんとか上りきり、教室に入る。

 机の中から携帯電話を取り出し、スカートのポケットに入れる。

 危ない危ない。忘れてたらこの休日二日間を携帯電話無しで過ごすところだった。

 魔術を使えない文明人のあたしにとって、携帯電話は必要不可欠なものだ。

 いや、高等魔術師の琴音だって携帯電話持ってるけど。

 魔術師って携帯電話が無くても、魔術で電波とか電話の回線? に直接アクセスしてそのまま話せるらしいし。

 何回かそういうことがあったけれど、携帯電話を通じて話すよりも声が鮮明だったのは記憶に新しい。うん、昨日の事だ。


 他にも忘れていないか最終確認をして教室を出る。

 走って追いかける、って言ったけど走るのって面倒だし駅前の大通りに出たらどうせそこですぐ別れるし、追いかけなくてもいいかな、と思う。

 あたしはあたしのペースで、自由に帰ろう。

 友達がどうでもいいとかそういうことじゃない。あたしがマイペースなんだ。B型です。


 しばらく廊下を進んでいると、背の高い男子と二年生の女子が話しているのが目に映った。

 男子の方は同級生で知り合いだから、何があったのかと思い聞き耳を立てる。結果、何も聞こえなかったけれど。

 二年生女子がお辞儀をして男子と別れてからこっちに向かって小走りで走ってきて、あたしのクラスの三つ隣の教室ににおずおずと入っていった。


 あたしのクラス=四組

 三つ隣のクラス=一組


 ということで、二年生女子は一組に入って行った。途中ですれ違ったけれど、全く知らない顔。

 けれど、どこかでみた事があるような誰かの面影がある顔立ちだった。

 どこで見たっけなー、誰かに似てるよなー。

 そう考えながら背の高い男子に、抜き足差し足忍び足で徐々に近づいていく。

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