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でいばいyouth  作者: TOKIAME
03 「健康な生活と跳ねる髪の毛」
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徒歩の想

 校外に出ると騒いでいると人目も憚られ、自然と言い争いも納まる。

 今日の夕飯何にしよー、とか課題めんどー週末課題めんどー、みたいな。

 他愛もない事を考えながら瀬七と会話しつつ、のろのろと帰る。



「じゃ、またな」


 5分も歩かないうちに瀬七と別れる。

 さっさと帰ろうとする瀬七を、なんとなく引き止めた。


「なんだい?」

「あー……あのさぁ、俺、どうしたらいいと思う?」

「何が? 課題?」

「ちがわい。鎮西の事だよ」


 ああ、と瀬七が納得したように頷いた。

 今日は木曜日。明日は必然的に金曜日だから、教室で鎮西に会う。

 いや、その前に本当に鎮西と北上っていうやつがいるのか、確認しなければいけない。

 クラスのやつの名前を覚えているか指を折りながら考えていたら、両手で足りた。

 自分で考えていて空しくなったが、クラスに何人いるかが分からない。取り敢えず、その十人がクラスメイトってことにしとこう。


「やってみるだけの価値はあると思うよ。そりゃあ君が納得しきっていないのは、分かっているけれどね。

 上手くいけば友達ゲット彼女ゲットー、みたいな感じで一石二鳥じゃないか」

「そういうけどさあ……」

「僕もこの件には関わっているんだから、たまには相談に乗るよ。頑張れよー宮本。応援してるから」


 じゃ、と言って手を振りそのまま瀬七が小走りで帰っていく。

 どこまででも我関せず、みたいな態度をとるから何時まで経っても掴み難い。

 それが瀬七なんだけど。

 いや、それは個性でいいと思うけれど、もうちょっと親身になって考えてくれないか、と思う。

 仮にも親友なんだしさあ。



 とぼとぼと歩いている内に家に辿り着いた。

 俺の家はどこにでもあるような普通の一軒家で、茶色の塗装をしてある。

 それに加えて小さな庭と駐車場があるから、まさに一般家庭。


 ガチャガチャと鍵を開けて家の扉を開け、ただいまー、と家の中にいるであろう人物に向け言う。



「ただいまーー……ぁ?」


 俺の目線は玄関から上がり廊下になっている場所に注がれる。



 そこには、人が倒れていた。

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