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でいばいyouth  作者: TOKIAME
01 「青い商人赤い女と凝視ちゅー」
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貫く刺激

「この人はあれですか。俺のことが好きとか言う人ですか」



 そう言った途端、先程後ろ手に閉じていた扉にドン! とぶつかった。

 唐突な出来事で何が起きているかは分からなかったが、腹部に鈍い衝撃を感じる。

 痛い、と一言だけ発しゆっくり体を起こした。そして瀬七と鎮西のいる方向に目をやる。


「……魔術使うなんて、卑怯じゃないのか」

「高等魔術師ならそんなことお構いなしよ」


 そう言って不敵に口元だけを歪めて笑いつつ、しかし、相変わらず剣呑な目つきで俺を睨みながら鎮西がそう呟く。

 俺を扉に吹き飛ばしたのは、やはり鎮西のようだった。


 んー、魔術使うとは意外だ。多分さっきのは衝撃波だと思う。あれ扱うのは難しいんだけどねぇ。さすが高等魔術師。

 過去の栄光を思い出さずんばここに光あれ。

 自分でも何言っているんだろう。分からない。俺はまだ、高等魔術師だった頃を思い出しているのやら。


 ……ん? 魔術? 師?



「あ」



 その時、俺の脳に電流走る。



 この方、校内で超有名な高等魔術師さんじゃないか。


 あー、思い出した。学年代表挨拶とかでよく見るネ。

 うん、うん。成績優秀だけど友人少ない俺の類人やっほい。

 しかも同じクラスだった気がするような、しないような。

 人間ってのはよくわかんないねー。俺も人間だけど。

 いつも見かける顔より、目つき悪すぎの猫みたいだから気付かなかった。



「あはは、どんとまいんど宮本。君のこと好きなのは鎮西さんではないんだよ。

 つーかこんな美人に好かれてるとか勘違いすんなバカヤロー」

「バカヤロー」


 何やまびこごっこしてんですかお二人とも。


「それじゃあ誰が俺を……その、好きだというんスか。……瀬七、ニヤニヤするな」


 俺が一瞬好きとか言うのを躊躇ったせいか、瀬七がニヤニヤしながらこっちを見てくる。やめてくれ。

 胡坐(あぐら)を掻いたまま二人を見上げると、鎮西は言いにくそうに渋りながら話し始めた。


「そのアンタを好きなのは、私の友達よ」

「へえ、その友達は誰で?」

北上(きたがみ)百合奈(ゆりな)

「へぇ」



 知らねぇ。



 そう言うと今度はつかつかと鎮西が自ら歩み寄ってきて、顔面をグーで殴られた。

 なんか口の中で血の味がします。あ、口の中切れた。

 もの凄い笑顔で殴った鎮西は今、気持ち良さそうな笑顔で仁王立ちをしている。威圧感が半端ではない。


 あー、でも例えば同じクラスだったら失礼な事したな。

 失敗、失敗。


「ビンタがよかった?」

「聞くなら殴るな!!」

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