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15.レオンの休暇3

季節は巡り、学園祭から3か月。

 夏の期末試験も終わり、学園は束の間の休日を迎えていた。


「……ふぅ」

 筆記試験の疲れを癒やすように深呼吸を一つ。

 だがレオンの足は、学園の敷地を出て森へと向かっていた。


 冒険者たちが普段から訪れる中規模の森。

 討伐や素材採取の依頼でにぎわうその場所に、今日は1人で足を踏み入れる。


(前とは違う。俺には仲間がいる)

 心の中でつぶやき、手を掲げる。


「――出てこい」


 光が瞬き、召喚獣たちが次々と姿を現した。

 頼れる相棒のオオカミに進化したポチタ。

 小柄なポチ達は群れを成して走り回る。

 賢いルナはしなやかな毛並みを揺らし、すでに警戒を始めていた。

 大きな体格を誇る新獣のベーさんは地面を踏み鳴らし、盾のように前に立つ。

 そして、空へ舞い上がるのは鷹に進化したピースケ鋭い眼光を光らせる。


 それはまるで、小さな部隊がそこに並び立ったかのようだった。


「行くぞ」

 レオンの声に応じて、召喚獣たちが一斉に散開する。


 森の奥、茂みを割って現れたのは初の課外授業でも遭遇したオークよりだった、森の空気が一気に張り詰める。


 咆哮が響いた瞬間、戦いが始まった。


 ベーさんが前に躍り出て、振り下ろされる腕を受け止める。

 重い衝撃が地を震わせるが、その隙にポチが横から飛びかかり、牙を突き立てた。

 さらにポチ達が素早く足元へ走り込み、吠えながら取りついていく。


「いいぞ、崩せ!」

 レオンは剣を抜き放ち、間合いを計りながら叫ぶ。


 そこを狙い、ピースケが鋭く急降下翼の先で魔獣の顔をかすめ、片目を潰した。

 魔獣が怒り狂い、よろめく。


「今だ!」

 レオンが踏み込み、剣を振り抜いた。

 ベーさんとポチが同時に押さえ込むことで生まれた隙。

 その一点を見逃さず、刃が魔獣の喉を深々と裂く。


 断末魔の咆哮とともに、巨体が地面へ崩れ落ちた。

 静寂が戻る。鳥の声すら遠ざかり、森はただ沈黙に包まれていた。


 レオンは剣を払って息を整え、召喚獣たちを順に見渡す。

 皆、無事。

さぁ次に行こう。




木々の間を抜けると、不意に大地が揺れた。

 唸り声と共に現れたのは、中型の魔獣。鋭い牙を持つ黒毛のバイアウルフだった。体高はレオンの肩ほどもあり、全身の筋肉が盛り上がっている。

ピースケによって遭遇するのはわかっていた


「……来い」


 今召喚している幻獣では数が不足していると考え、レオンはさらに魔力を注ぎ込んだ。

 呼応するように足元から光が走り、幻獣たちが次々と姿を現す。


 先陣を切るのはポチタと子狼たち。低く唸り声を上げ、群れで相手の注意を引く。

 ベーさんと小熊たちは大地を揺らすように前へ出て、巨体でバイアウルフの進路を塞いだ。

 小鳥たちは鋭い鳴き声を響かせながら頭上を旋回し、他の冒険者や魔獣の接近を監視する。

ピースケは頭上から攻撃のタイミングを伺う

 ルナの瞳が淡く輝き、レオンの体に力が流れ込んでいく。


(……軽い。見える……!)


 踏み込むと同時に、バイアウルフが咆哮を上げて飛びかかる。

 ポチタと子狼たちが牙を立て、軌道をずらした。


「今だッ!」


 レオンの剣が横薙ぎに走り、毛皮を裂いて血が散る。

 だが、巨体は怯まず暴れ狂った。後ろ足の蹴りがベーさんを弾き飛ばし、小熊の一頭が直撃を受けて吹き飛ぶ。呻き声を上げたまま、白い光に包まれ消滅する


「っ……!」


 さらに暴れる前足が子狼を二体叩き潰す。小さな悲鳴が耳を裂いた。

 レオンが動くを止めるため踏み出した瞬間、牙が脇腹をかすめ、熱い痛みが走る。


「ぐっ……!」


 体勢を崩したレオンを守るようにポチタが飛び出すが、その肩口に深々と牙が食い込む。血が噴き出し、ポチタが苦鳴を上げた。


「ポチタァッ!」


 必死に剣を叩き込み、距離を取る。

 だが、まだ押されている。数で優位を取っていたはずが、次々と倒され、幻獣たちが削られていく。


(……まだ足りない。このままじゃ押し切られる!)


「ルナ!」


 名を呼ぶと、ルナの光が一際強く弾けた。

 体中に奔る熱。さらに魔力が漲る。


 レオンは限界まで魔力を注ぎ込み、新たに幻獣を呼び出す。

 白い光から、小狼と小熊が再び姿を現し、怯むことなく前へ駆けた。


 空からはピースケが急降下し、魔獣の片目を抉る。

 足元では群れが牙を突き立て、崩れかけた体勢を一気に崩す。


「今だ!!」


 レオンは全身の力を剣に込め、跳躍。

 仲間たちの犠牲が作った隙を逃さず、渾身の一撃を首筋に突き立てた。


 断末魔の咆哮。巨体が土煙を上げて崩れ落ち、森に再び静寂が戻る。


 肩で荒い息をしながら、レオンは剣を引き抜いた。

 血に染まったポチタが、弱々しく尻尾を振る。ベーさんは膝をつき、小熊や子狼の幾つかは動かない。

 ルナだけが、静かに光を揺らし、レオンを包んでいた。


「……楽になんて、言えないな」


 悔しさと、それでも確かに増した実力。

 その狭間で、レオンは剣を握る手を強くした。


ーー

プラス値は幻獣スキルによる効果です

レオン=ヘムロック

レベル 35

体力:400/550

力:275+100

魔力:50/825+300

知力:230

スキル:剣術3 投擲1 鑑定2

エクストラスキル:幻獣召喚2


ポチタ(ウルフモード)

レベル 15

体力:70/270

力:450

魔力:40/45

知力:20

スキル:噛みつき3 威嚇1


ルナ(キツネ)

レベル 25

体力:55/55

力:5

魔力:0/120

知力:50

スキル:魔力強化2 身体強化1


ピースケ(鷹)

レベル 2

体力:10/10

力:3

魔力:1/15

知力:60

スキル:共感覚2 急降下1


ベーさん

レベル 40

体力:300/600

力:45

魔力:0/25

知力:10

スキル:鉄鎧2 挑発1

本日連続投稿15.5話で幻獣召喚の半分説明回あります

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