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3 二人だけの夜と朝、そして二人の愛の交換

 私は愛を語りたくなったので、そっとあの方の寝室に忍び込んだ。私の寝所は、あの方の寝室から少し離れたところにある。

 カタリ。あのかすかな音は、あの方が静かにベッドに入った。多分、私に気づかれないようにしたかったのだろう。でも、どんなかすかな音でも、あの方の音ならすぐわかる。そこで、頃あいを見計らって私は彼の寝室に忍び込んだ。そのまま彼の枕元に飛び上がると、そこはちょうど彼の顔を見下ろす位置になる。そして私は必ずあの方の肌にぺろりと接吻をする。つい、ノドも鳴らしてしまう。ゴロゴロゴロゴロ。


 わたしの体温は少しばかりあの方より高かった。それを感じたのか、あの方は少し身じろぎをして目を開けた。

「あれ、スプーキー!?」

「ネエ」

「ここで何をしようとしているのかな?」

「ネエ」

「その口は何だよ」

 そう言われたので、これが私の愛情表現ですよ、と目で睨みつけたら、頭を撫でられて誤魔化されてしまった。これも毎日のことだ。


「ネエ!」

「なんだよ」

「ネエ!」

「おかしいな? もう大人しくなったと思ったのだが……」

「ニア!」

「お前、俺の名前を呼ばないで、そんな掛け声で済ますのかよ?」

 あの人はそういうと、キッチンへと向かう。その後ろ姿にときめいて、私もうきうきと脚が動いてしまう。多分、もうすぐ私のためにダイニングに皿が並べられるはずだ。


 会食が終わった。楽しい時間だ。この後に続く遊びの時間、そしてその後の二人だけの時間。

「お前は無邪気だな……」

「グルグルグル」

「お前は、俺より早くこの世から抜け出していくんだろ?」

「グルグルグル」

 あの方は、何か難しいことを言っているらしい。それは私にとってほとんど意味のないことだ。あの方もわたしも、目の前のことに集中している生き方をしてきたし、これからもそうだ。そこにこそ、未来があると思っている。いや、そうだと分かっているから今更そんなことには拘らない。


「お前は、そんなことはわかってないんだろうな……」

 あの方はそう言って、遠くを見ている。私がそんなことも分かっていないと、どうしていうのだろうか。私はただ自らをこだわりから解放させているから、もうそんなことにこだわらないのに……


「さあ、お遊びの時間は終わりだ」

 あの方はそういうと、私を抱いた。

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