南の街、朱雀の封印
南の街、朱雀の封印に姚 蓮花と李 亞夢の第一班と第四班が向かった。
封印が解け、作戦を全うしていくが...
計画性とやる気に満ちたこの班が見せるストーリーとは…
南の街。朱雀の封印解放。
「いやぁ~こんな暑い中戦うんすか…!骨が折れるっすねぇ~」
亞夢は大量の汗をかきながら言う。
この街の時間軸はずっと昼のままで、季節もずっと夏だ。
「この暑さでへばるなんてまだまだだな」
「いやぁ~流石の蓮花隊長には敵わねっす…」
ビュンッ
ふと街に大きな熱風が広がった。
「来たな。」
空には火のように赤い色を纏った、巨大な鳥が飛んでいた。
「来ましたっすね…朱雀…!」
朱雀の羽音に街は包まれる。それとともに熱風が頬に触れる。
「蓮花隊長、ほんとにあの作戦でいいんすか?いくら強い蓮花隊長でも、一人であれを相手にするだなんて、大分無理しすぎじゃないっすか?」
「問題ない、できることなら時間はかけたくないからな。」
「いや、でも…」
亞夢の言葉を遮るように、蓮花は足早に朱雀に立ち向かった。
「…四班来た意味あるっすかねぇ…これ…」
蓮花はこの特殊部隊の中で一番強い実績を持っている。まあ、それもそのはずだ。
彼女はこの特殊部隊の隊長なのであるから。
「こんなもの…」
蓮花の能力は水弓。遠距離型攻撃なのでかなり強い部類。それに伴い、蓮花の水を操る力はずば抜けているので、朱雀にとってはだいぶ相性が悪い。
蓮花は弓を構え、思い思い水力をこめ、朱雀を目掛け放った。
ピュンッッッ
猛スピードで放たれた矢は、迷うことなく朱雀の体に的中した。
威力で朱雀は少しよろめいた。
そして朱雀を纏っていた炎は全て消え、落ちる……
ことはなかった。
‼
その場にいた全員が氷のように固まり、身動きが取れなかった。
もちろん蓮花もだ。
(何故だ…私のこの能力が通用しないだと...?)
次の瞬間、朱雀の炎は瞬く間に体全体に広がった。
圧倒的遠距離に長けた能力と炎が弱点の水の能力を使ったというのに…
朱雀にとっては恐らく、痛くもかゆくもないものなのだろう。
「蓮花隊長これって…」
亞夢も当然の如く驚いていた。
「完全に侮っていたな…」
(やはり戦闘は慎重にということだな…)
「切り替えろ!まだ終わりではない!」
周りの隊員達は正直まだ受け止め切れていなかったが、反面蓮花の言葉に少し勇気づけられた。
「作戦Bに変更だ!各自戦闘態勢につけ!」
隊員達は作戦の通りの態勢をとった。
作戦Bの内容
空中戦に長けた者たちが朱雀の周りを囲い、逃げ場を防ぐ。
しかし、もしものために朱雀とはできる限り距離を置く。
亞夢の合図で近距離と遠距離の攻撃を同時に行う。
もしそれでも討伐できなかった場合、作戦Cの態勢をとる。
ちなみに蓮花は計画性にも長けているため、作戦は多めに練ってある。
「作戦開始!」
亞夢の合図で隊員達は攻撃を始める。
もちろん隊員達の中でも蓮花は戦う。
みんながみんな頭をよくフル回転させ、冷静に攻撃に挑んだ。
この二班の良い点は冷静さとやる気だ。戦闘にはもってこいの逸材たちが勢ぞろいだ。
そうこうしている間にも、隊員達の攻撃が次々と朱雀に効いているようだ。
一人の攻撃より、大勢の攻撃の方が圧倒的に威力に差がある。
みんながわかっているからこそ、協力し合うことができる。
そういったところもこの班の隊員達の魅力になるだろう。
(順調だ…!しかし油断は禁物だ。この調子で攻撃の威力を上げるか。)
蓮花はこれまでにないくらいに強い力を放った。
攻撃の先の隊員達は颯爽とよけ、朱雀に的中。
体中の炎は近距離の隊員達が、消していてくれたため、依然全く打って変わって朱雀の状態が変わった。
さっきの攻撃ではふらついただけでなんともなさそうにしていたのに、蓮花の攻撃で朱雀の体に大きな穴が開いた。
その蓮花の攻撃に隊員達は開いた口が塞がらない。
朱雀の体の穴から大量の光が飛び散り、落ちることはなくそのまま消えていった。
「成功…したんっすか...」
その場にいた蓮花除き全員が呆然としていた。
それもそのはずだ。あれだけの威力を放った攻撃を蓮花がするのはみんな初めて見たからだ。
他の隊員達が綱を持ってきたが、その隊員達も驚いたような表情をしていた。
「皆なぜそんな驚く、私だけの力じゃここまでできなかったんだ。それだけは事実だ。なにも驚く必要はない。」
蓮花に憧れる者が多い理由、完全にわかった気がする。
強くて、仲間のことも思いやれる。そういったところに皆憧れの気持ちを抱くのだろう。
蓮花達は封印石の前に集まり、綱を強く結びつけた。
南の街、朱雀の封印完了。
東、西の戦いとは明らかに違う結末であったが、それでも街を救えたのなら皆が本望であろう。
「起きて!橘クン!今日は玄武の封印解放の日だよ!」
「まじかぁ、ついにこの日が来ちゃったかぁ…」
寝ぼけたままの橘はあくびをしながらそう言った。
「さぁさぁ!早速準備して向かうよ!春蕾のとこに!」
「えぇ…やだぁ、あの人僕苦手…」
チェイロはむっとしながら言う。
「そんなこと言ってちゃだめだよ!この世界を救うためなんだから!嫌でもやるの!」
「分かったよぉ…」
橘は渋々従って準備をした。
次回
第六話「北の街、玄武の封印」
本作品、「異世界の皆さん、手伝います‼」の第五話『南の街、朱雀の封印』をご愛読くださり、誠に感謝いたします。
本当に遅れて申し訳ありません!全然思いつかなくて、後回しになっていました。
次からは気を付けていこうと思っておりますので、次回作も期待していてください。