これまた転生⁉異世界に行っチャイナ!
一回目の転生の件が過ぎて、五日後。
橘は今までとは何ら変わりない学校生活を送っていったが、その日橘は友達の慎也〈しんや〉と喧嘩をしてしまった。
そういえば、最近僕達以外にもちょくちょく喧嘩している連中を見かけるが…。
そして一か月後、橘はまた異世界へ。
ここは…チャイナタウン…?
一回目の転生が過ぎて今日ではや五日目。
橘は今日も依然と変わりなく学校へ向かった。
下駄箱前で、靴を履き替えようとしていると、
「はよ!」
と、気軽そうな声で橘の友達である榊 慎也〈さかき しんや〉がそう声をかけた。
「おう、はよ」
慎也は橘の幼馴染。小中が同じで、よく遊んでたから結構仲がいいのだ。
「そういや、一限何だっけ?」
「体育だよ。そんで二限が国語…」
学生という分野をやっていく中で割としんどいランキング上位くらいに入っているのが、体育の次の国語or数学だ。
「げぇ…まじかよ…めっちゃキツいやつやん…」
「それなー」
そう言いながら教室へ向かっている最中、階段の辺りから怒鳴り声が聞こえた。
「ああ⁉てめぇふざけんなよ‼何のために予定空けてやったと思ってんだよ!流石に自己中過ぎんだろが‼」
「だから、その件に関しては何回も謝ったじゃないか‼大体、こんなとこで怒鳴り散らかしてるお前のほうが自己中なんじゃないのか!」
三年の先輩がなにかもめているようだ。
「はあ~、朝っぱらから喧嘩騒動かよ…迷惑だねえ」
確かに迷惑だ。階段の踊り場で喧嘩が起きているため、通行したい生徒がなかなか通れずにいる。
「ちょっと、俺先生呼んでくるわー」
と、慎也はそそくさと職員室に向かい先生を呼びに行ってしまった。
喧嘩の声が、階段全体に響いている。
するとキャッという声が聞こえた。
通行しようとしていた女子生徒の腕に、喧嘩している片方の奴の腕が当たってしまい階段から落ちてしまった。
(危ない…‼)
咄嗟にそう思い、橘はすっと階段の近くまで行き、階段から落ちた女子生徒をキャッチした。
運がよかった。もしあのまま足が動いてなかったら、この子は怪我を負っていた。
橘はふと転生した時の記憶が蘇り、あの時のおかげで自分は成長できたんだと改めて実感させられた。
「あの…」
「ああ、ごめん。怪我無い?」
階段から落ちてきた女子生徒は、3組の華岸 香鈴〈はなぎし かりん〉だった。
「大丈夫…ありがとう。」
香鈴はそう言いながらフッと微笑んだ。
(流石、学年一のモテ女といわれるだけあるな…)
普通の男子生徒だと確定で落ちるが、橘はバスケしか愛せないのでそう簡単には落ちなかった。
そして、騒ぎに駆け付けた体育教師の岡部〈おかべ〉先生は、三年生を強制連行し生徒指導室で大説教した。
無事、一限と二限の地獄セットを乗り切り昼休憩の時。
「橘ー、香鈴がよんでるよー」
と、クラスメイトの女子がそう呼びかけた。
なんだろう?と思いつつも、橘は潔く香鈴の元へ向かった。
「どうしたの?」
「今朝の件、本当にありがとう。お詫びにと言ってはなんだけど、放課後一緒に駅前のカフェ行かない?」
これは俗にいうお誘いとやら…
女子と二人きりでどこかへ行くというのは、経験がなかったためか断るのも悪いと思い、橘はその誘いを受けてしまった。
香鈴は微笑んで、自分のクラスへと帰っていった。
席に戻ると、慎也は橘に尋ねた。
「今、何の話してたんだ?」
実は慎也は、絶賛香鈴に片思い中なのだ。ここでさっきの件を話したら、悪く思われそうだと思ったため、その件は上手いことはぐらかした。
「そういやさ、今日駅前のカフェでドリンクの新作出たんだってさ。よかったら放課後一緒に寄らん?」
「あ…いやぁ…放課後はちょっと用事あってさ!また時間あったら一緒に行こうな…?」
橘は、気まずくなりながらも慎也の誘いを断った。すっごい胸が苦しい。
放課後になり、橘と香鈴は駅前のカフェへ向かった。
「橘君は、何飲む?」
「…」
「橘君…?」
橘ははっとする。
「あ…ごめん。ボーっとしてた。」
慎也への罪悪感が広がり、つい考え込んでしまった。
「えっと…僕は…」
「私は新作のこれにする!」
ふと、新作のドリンクに目をやると慎也の言っていたことを思い出し、益々罪悪感が募った。
「じゃあ僕は、カフェオレにする。」
二人はオーダーを終え、席に着いた。
「元気…ないね。大丈夫…?」
香鈴にも心配をかけてしまっていることに少し申し訳なく感じた。
「う、うん…大丈夫。ありがとう…」
少しの沈黙が続いた後、香鈴は口を開く。
「あの…その…今朝は本当にありがとう…えっと…」
?
何か言いたげだったが、香鈴は緊張しているようだ。
「私…橘君のこと好きになっちゃいました…」
「え」
「クラスも違うし、あんまり話したこともないのは分かってるけど、今朝の件で橘君がすごい輝いて見えちゃって…その…もし良かったらなんだけど…」
香鈴は両手を組んだまま緊張を隠すかのように、話す。
「…っごめん…君の気持ちには答えられない…」
あっさり断った橘を目前にして、香鈴は慌てて震えた声で言った。
「そ…そうだよね。流石に急すぎたよね!ごめんね…!」
気まずい沈黙が流れたころ、通路から慎也が通った。
ふと、こちらと目が合ってしまった。
「…は…?何してんの…」
慎也はすっと足を止めて橘達の方を見て言った。
「あ…いや…その…」
「どういうことだよ…用事は…?」
動揺がすぎて、上手く口が回らなかった。
「用事あるから今日はいけないって言ってただろ…!なんでお前がここにいるんだ…!」
しかも…といいながら香鈴の方に目をやる。
「あ…ごめんなさい…!私が橘君を誘ったの…!昼休憩の時に。二人に用事があったのに、私邪魔しちゃったよね…」
「昼休憩の時話してたことってこれかよ…なんではぐらかしたんだ!」
慎也は頭を掻きながら眉間にずっと皺を寄せている。
「ごめん…」
ただそういい返すことしかできなかった。
「はぁ…だる。」
そういいながら慎也は機嫌を悪くさせたまま別の席に行った。
「…ごめんね。私のせいで…」
「華岸さんは悪くないよ。悪いのは僕の身勝手さだ…」
このままここに居続けても香鈴に迷惑が掛かってしまうかと思い、橘は今日のところは切り上げようと提案した。
家に帰って、自分の部屋で考え続けた。
全部自分が悪いんだと思う傍ら、あの時喧嘩してた三年の奴も悪いんじゃないかと、言い逃れをしようとしている自分さえいた。
そういうところは、転生した日以来も変わってないんだなと思う。
(…頭冷やして、来週またちゃんと話し合おう。事情を説明したらきっと理解してくれるはず。)
そして、次週の月曜日。
教室に入ってきた慎也を確認して、橘は慎也に声をかけた。
「あの…慎也…!」
慎也はちらっと橘の方を向いた後、すぐ目を逸らした。
「先週はほんとにごめん。」
「…ちょっと、場所変えよう。」
慎也はそう言い、廊下の奥らへんに場所を移した。
「…ごめん…っ。僕、慎也が華岸さんのこと好きって知ってたのに…」
「どうして、そんなことしたんだ?」
冷静にそう問いかける。
「実は…」
先週あったことを包み隠さず話した。
「…そういうことなんだな。悪かった。」
「どうして…慎也は謝る必要ないのに…」
「いや、俺のためを思って言わないようにしてくれてたのに、一方的に勘違いして怒鳴っちまった。本当に悪かった。」
こういうところは、本当に慎也の良いところだ。
「うん、こっちこそごめん。」
キーンコーンカーンコーン…
予鈴が鳴り始めた。
「予鈴鳴ったし、もう教室戻るか。」
「うん」
そう言って、二人の関係に特に大きな亀裂が入ることはなく、今日も何ら変わりない学校生活を送っていった。
さらに一か月の時が過ぎる。
今日も部活で疲れ果てた体を癒すために、風呂に入って、飯を食い、課題をしてからそのまま布団に入った。
その瞬間、見覚えのある景色に移り変わった。転生前の光景だ。
(…またこの光…)
前回の転生の時と同じように、橘は無意識に光の方へと引き寄せられた。
眩しい光に包まれ、目を開けた時。そこは中国風ではあるがファンタジー要素のある世界だった。
(ここは…チャイナタウン…?)
アニメやゲームでしか見ない光景に、腰を抜かしそうになる。
前回も不思議な街だったが、ここも比にならないくらい不思議な街だ。
すると、足元から声が聞こえた。
まさかと思い、足元に目をやるとそのまさかで
「橘クン!久しぶりだね!」
チェイロだ。
「おお…久しぶり」
この状況にチェイロの存在は、少し安心感がある。
「早速、この街について説明するね!」
チェイロは改まった風に説明を始める。
「この世界は俗にいう中華風ファンタジーの世界だ。そして今回の任務は、この街の特殊部隊の人たちと協力して、四神の封印をすることだ!」
「しじん…?」
ごほんとチェイロは一つ咳をする。
「四神というのは、青龍、白虎、朱雀、玄武といった中国の伝説の神獣なんだ!」
「ああ…なんか聞いたことある…ゲームとかでもあるけど、結構強いよねそれ」
うんうんと、チェイロは頷く。
「あと、特殊部隊の人達って何なんだ?」
「前回の転生先で言えば、騎士団の人達のような存在だ。そして特殊部隊の人達も特殊的な能力を持っていて、その力でこの世界を守っている。」
ふーんと分かったように相槌を打つが、内心まだ慣れていないし多少は困惑している。
「それから三日後、千年に一度の四神の封印が解けるとき。キミにはその特殊部隊の人達と協力して四神の封印に努めてほしいんだ!」
「この世界でも、僕には能力的なの宿ってるのか?」
「うん、じゃないとキミすぐ死んじゃうからね!」
ん?と片方の眉が上がる。
「僕がこの世界で死んだら、どうなるの…?」
「それは…」
と、チェイロは溜めを作るが一向に応えようとしない。
「え…?」
少し不気味に感じる。もしこの世界で死んでしまったら橘自身はどうなる…?
この世界での橘の姿は実際の自分の姿ではないから、橘自身は無事かもしれないがこの体の本人は一体どうなる…?と考えたくもないことがずらずらと頭の中に流れていって、寒気が止まらない。
「と、とりあえず、キミには死なないように最善を尽くしてもらうほかない!」
「え‼」
不安が一気に募っていく。
「ち、ちなみこの世界でのキミの名前は朱 泰然〈シュウ タイラン〉だ!」
「へー。いかにも中国っぽい名前…かっけー」
思わず感心してしまった。
「で、肝心の特殊部隊の人達ってのは一体どこにいるんだ?」
「ボクについてきて‼」
そう言われて、橘はチェイロに連れられ街の中心部までやってきた。
「うっわ…でっけ…特殊部隊の人達ってこんなでかいとこで働いてんの?」
その建物の大きさは東京ドームおよそ二個分くらいで、かなり広い敷地だった。もちろん中華風の装飾も忘れずに…
「ううん、ここにいるのはこの世界を仕切ってるお偉いさんの方々の勤務場所だ」
「え、じゃあ特殊部隊の人達は?」
「ここの地下だ!」
秘密基地みたいな雰囲気を想像して、幼いころの少年心が擽られる。
(そう思って来たものの…入室早々メンチ切られてるんですが、どういうこと?)
「てめぇ、どこのもんじゃぁ‼名前言うてみぃ!」
(なんだ?このヤンキーみたいな見た目した人達は…柄悪いな。第一印象最悪だぞこれ。)
「橘クン!自己紹介して!」
「え?あー、僕の名前は朱 泰然です」
「あぁん?聞いたことねぇなぁ、ガキはさっさと帰りぃ」
「待て」
突然、ヤンキー二人衆の背後から高身長で綺麗な女性がやってきた。
「あ!蓮花〈リェンファ〉隊長!お疲れ様です‼」
「下がれ」
は!とヤンキー二人衆は素直に去っていった。
「お主が例の助手か。よく来てくれた。」
クールそうな見た目をしていて、服も中華風のかっこいいデザインだ。そして声も綺麗。嘸かしモテるだろうとは思うが、それでも橘はバスケを愛しているので落ちることはない。
「話は上から聞いておる。こちらへ来い」
橘とチェイロは大人しく蓮花の後に付いていった。
ついた先は談話室のような広い空間だった。
室内には、また人がいて周りの威圧感に押し潰されそうになる。
「こいつらは、この部隊の班長達だ。」
「へー…」
「お前ら、一人ずつ名を名乗ってやれ。」
みんな頷き、右側の人から順に自己紹介を始めた。
「第二班班長の林 美帆〈リン メイファン〉です。よろしくお願いします。」
髪が長くて下に二つ結びをしている、細身の女性。大人しそうな雰囲気を漂わせている。
「第三班班長。高 勝峰〈ガオ ションフォン〉。」
前髪をオールバックにしていて、ガタイがよく少し怖い雰囲気がある。
「第四班班長!李 亞夢〈リー ヤーモン〉‼よろしくぅ‼」
すごい元気そうで声が大きい。小柄で天真爛漫な性格をしていそうだ。
「第五班の班長を務めさせていただいております。施 明霞〈シー ミンシャ〉と申します。以後お見知りおきを。」
白く長い髪を緩めに結っていて、女性とも見間違えられそうなくらいに丁寧で誠実そうな雰囲気を持つ男性。
「…」
「また、春蕾〈チュンレイ〉の奴いねぇな‼」
勝峰は腕を組みながらそう言った。
「全く、春蕾には呆れたものだ…」
蓮花も溜息をつきながら、完全に呆れていた。
「春蕾っていうのは…」
「第六班班長兼副隊長の薛 春蕾〈シュエ チュンレイ〉。あいつは気分屋すぎるから、こういった集会には来ない時が多いがあまり気にしなくて良い。」
(異世界の住民にもいろんな人がいるんだなぁ…)
「そして、私が第一班班長兼隊長の姚 蓮花〈ヤオ リェンファ〉だ。よろしく頼む。」
「よろしくお願いします…」
この世界の特殊部隊は六つの班で構成されている。地下も広いからかなりの隊員がいるのではないかと考えられる。
「これから、各班の班長含め今回の四神封印の件で、会議を行っていく。」
緊張感のあるまま、会議は開かれた。
「まず、四神はそれぞれ東西南北とそれぞれの地方に分かれて封印の岩が置かれている。封印が解けるのは三日後の早朝とみられる。そして各班をそれぞれの地方ごとに派遣する。その派遣する班を今から確認する。」
どうやら既に班の配置場所は決まっているようだ。
「東の青龍の封印は勝峰の第三班に任せる。それから西の白虎の封印を明霞の第五班、南の朱雀の封印は私と亞夢の第一班と第四班。中央の予備援護部隊を美帆の第一班」
「そして、北の玄武の封印を春蕾の第六班と泰然だ。」
「え、僕そんな気分屋な人と組んでも大丈夫そうですかね…?」
咄嗟に口が滑ってしまった。
「問題ない。奴の実力は確かだ。お主のとこにもあまりの隊員を派遣するから心配無用だ。」
「あ…ありがとうございます…」
不安が過ぎるが、今回も任務を達成しないと元の世界には戻れないので、仕方なく言うことを聞くだけしかできなかった。
「三日後に向けて、私達特殊部隊は今からそれぞれの地方に向かい、各自戦闘の準備を行う。」
「今からですか⁉」
「あぁ。各班専用の馬車を用意しておるから、お主は第六班の馬車に乗って現地へ向かえ。」
急すぎて驚くが、橘は大人しく外に用意された第六班の馬車へ向かった。
「あれ…春蕾さんはいないんですね…」
「春蕾副隊長は一人で現地に向かいましたよ」
隣に座っていた若い隊員が声をかけてくれた。
「ほんとに気分屋なんですね…春蕾さんは。大変じゃないんですか?」
「んー大変じゃないって言ったら噓になりますけど…副隊長は強くてかっこいいですし、なれたらまたか…程度で済むことなので」
「ふーん…」
数時間後…
眠っている人もいる中、そろそろ現地に着くまでの距離となった。
「なぁ、チェイロ。」
「どうしたんだい…?」
さっきまですやすや眠っていたチェイロの声は少し弱弱しく、寝ぼけているのが伝わる。
「さっき、自分の体が本当の自分の姿じゃないこと気づいたんだけどさ」
「遅すぎない?」
「お前が説明しなかったからだろ!」
軽くチョップをかまして、チェイロもすっかり目を覚ましたようだ。
「それで…僕がこの世界にいる間、僕の本当の体は何してるんだ…?しかも三日以上はこの世界に留まらなきゃならないらしいし…」
「キミの本当の体は今、仮死状態になっているよ!三日以上はこの世界にいるけど、キミの住む世界では時が動いていないから、何の心配もいらないさ!」
「はぁ…?」
非現実的な言葉の羅列に本当、気が狂ってしまう。
「まぁまぁ!そんなことは置いといて、そろそろ北の街に着きそうだよ!」
馬車の窓から外を眺めると、中華風なのは変わらないが、雰囲気が中央の街とちょっと違うのがわかる。
いよいよ馬車は足を止め、着いたことを全員に報告する汽笛のようなものが鳴った。
眠っていた隊員は全員目を覚まし、ぞろぞろと馬車から降りて北の街の空気を味わった。
案内人に宿場を案内され、そのまま橘たちは宿場へと向かった。
宿場に着いた隊員たちは、荷物を置き各自街の探検などに向かった。
街の中を調査する者や、売店に立ち寄る者、三日後の戦闘に向けて自身の能力を伸ばす者など、色んなことをして今日という日を各々で過ごしていった。
北の街に着いて翌日の二日目。隊員全員が封印石の場所を確認しに向かった。
ここから少し離れた土地の湖に封印石があるらしい。
隊員と橘達は、湖に向かって封印石の状態を確認した。
封印石はボロボロで、周りに巻いている封印の綱があと数センチで切れそうな状態になっていた。
「この綱が切れたころ、玄武は解放され街を襲ってしまう…伝説の話じゃ四神は守り神なのになんでそんなこと…」
悲しげにチェイロはそう言った。
「守り神だって、闇の心を抱く時はあるさ。」
⁉
「だ…誰」
「あ、春蕾副隊長、お疲れ様です。」
「え!この人が春蕾さん…?」
顔がものすごく整っていて、女性に圧倒的人気だろって感じの見た目をしている。そしてどことなくミステリアスな雰囲気もある。
「君はあれかな…あれ…うん、誰?」
(いや、覚えてないんかい!)
「あー…僕は助手の朱 泰然です。」
「あぁ、そうそう、タイマン君ね」
「タイ『ラン』です…!」
橘は咄嗟に思うのであった。この人とは絶対気合わないと。
その日の夜…
「僕多分あの副隊長と相性悪いよ、苦手だ、あぁいう一見何考えてんのか分かんない奴。明後日うまくやってけるかねぇ…」
「春蕾さんね、確かに何考えてるのかわからないよね。でもまあ一緒に戦ってみたらわかるんじゃないかな!」
「そうかねぇ…」
封印が解かれるまであと二日。徐々に迫りくる恐怖にほとんどの隊員は怯えていたが、ただ一人。
その日を心待ちにしている者もいた。
あれから二日後…
千年に一度の四神封印解放の日がやって来た。
そしてその日の早朝、封印石に巻かれた綱は遂に限界を迎えたのであった。
次回
第三話「東の街、青龍の封印」
本作品、「異世界の皆さん、手伝います‼」の第二話『これまた転生⁉異世界に行っチャイナ!』をご愛読いただき、誠に感謝いたします。
最近、漫画より小説を優先しすぎていてやばめですが、小説書くの楽しすぎるのでこれからも書き続けていこうかと思います。
こういう物語書いていると、ついアニメ化したら~とか漫画化したら~ってこと想像しちゃうんですよね…誰かしてください‼(笑)
ということで、今回は割と二日くらいで書けたので、次回も期待していてください‼ありがとうございました!