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姉、日常の中で楽しみを見つける

日時指定予約を間違えて指定しておりました。

大変申し訳ありませんでした。


雪合戦から数日が過ぎ、心配されていた体調も崩すこと無く元気に過ごしている。


日の出より先に起き、キッチンへ行き竈に火入れとパンの発酵具合を確認。


夜と朝の間の時間。


宵闇から太陽が上り出すその瞬間。


身を切る様に寒さが増し、ゆっくりと空が明るくなり、雪が白く輝き出すその瞬間。


運良く、井戸で水を汲んでいると見える空の変化に思わず小さく歓声を上げてしまう。


毎日、同じ行動をしていても少しでも時間が違えば見えない風景に、


前に生きていた時は、毎日同じ事の繰り返しなんてつまらないと思ってたけど、この人生は違う。


改めて思い、実感をした。


手を水で濡らすと痺れる程の寒さに、思わず手に息を吹き掛けが温まったのはその瞬間だけで、慌て桶を持ちキッチンへと戻った。


そこからはキッチンに入ってきたクックやキッチンメイドへ挨拶をし、朝食へ使うお皿やワゴンの準備をして行く。


先日、コレなら任せても大丈夫だろうとクックとキッチンメイドから割り振られた、カトラリー選びをメニューをクックから聞き、何十種類とある柄から選び出来た料理をのせてもらう。


話を聞いたその日に嬉しのあまりディランとフレディに報告をすると一緒に喜びお祝いの言葉をくれた。


ランドリーに迎えに来てくれるフレディと一緒に皿の柄や特徴で盛り上がる日もあれば、


「奥様はリーフの柄をお気に召しております」


イルさんがさり気なく話をしてくれるので、次の日に実行してお祖母様が喜んでいたと、お祖母様付きのメイドさんから教えて貰い、


「お皿1枚、柄によって料理に見栄えが変わるのがすごく面白いの」


喜びの勢いそのままにイルさんにお礼と共に告げれば、


「本当に。料理も奥深いですね」


嬉しそうに笑いながら頷き返してくれた。


そんな日々を過ごしていると、フッとした瞬間に指に痛みが走り、驚き声を出してしまう。


何事かと思いまじまじと指先を見ると切れており


「あかぎれ」


ぽつりとこぼした言葉に、


「姉様、こちらをお使いください」


イルさんと勉強をしていたはずのディランが近くに立っており、手渡してくれたハンカチを切れた指に当て


「ディラン、ありがとう」


勉強を中断させてしまった事への申し訳なさを感じるも、先ずは礼を伝えると、


「姉様、手を見せていただけますか?」


心配の色が含んだ言葉に頷き、ハンカチで包んでいた手を差し出すと、フレディの手には見慣れない小瓶があり、


「手が切れる原因の1つに、保湿ができていないからだと本に書かれておりました」


小瓶から出された液をディランの手の平に出し擦り合わせた後、差し出して手を包み込む様に握り、


「保湿をするには十分に水分を含ませた後、クリームを塗ると良いとの事ですので、お祖母様に相談させていただき、取り寄せていただきました」


ほのかに薔薇の良い香りがし匂いに気を取られていると、再び、液を手の平に馴染ませたたディランの手に包み込まれる。


水分が行き渡ったのかふっくらとした手をどこか感動しながら見ていると、甘い蜂蜜の匂いかし、


「蜂蜜は保湿に良いとも聞き及んでおりますので、クリームに蜂蜜を混ぜてみました」


真剣な表情と声に、頷き返事を返していると右手を差し出すように言われるまま、差し出す。


同じ様に薔薇の匂いがする液を何度も染み込ませ

、蜂蜜の匂いがするクリームをたっぷり塗ってくれ、


「クリームが馴染むまで、そのままお待ちください」


ディランの満足そうな表情と共に告げられだ言葉に驚き、


「このまま?」


聞き返してしまうと、


「本はクリームで汚してしまいますし、紅茶はカップを滑らせててしまうかも知れません」


頷き返すと膝の上に乗せていた本をフレディが退けてくれ、ぼんやりとするも何も出来ないと言うのはとても退屈で、


横に腰掛けているディランに向かい、


「手を触れないようにするから、抱きしめても良い?」


何かをしたくて、意味も無く思いついた事を言葉にだせば、ため息の後、


「お好きにどうぞ」


体を自分の方へ向けてからの返事に、抱きつき


「ありがとう。ディラン」


お礼を告げると、


「そう言えば、近々、街で春の訪れを祝う祭りが行われるそうですが」


「行きたい!」


ディランの言葉が終わる前に返事を返してしまうが、


「分かりました。行ける様に手配いたします」


頷きと共に、返事が貰え


「楽しみね。どんな祭りなのかしら?屋台とかは出るのかな?」


待ちどうしくてなり、前世の祭りの雰囲気を思い出し言葉を続けると、


「僕も先程、イルに聞いたところなので詳しくは分かりませんが、準備品が必要ならフレディに頼んでおきます」


「楽しみで待ちどうしいわ」


ディランを抱きしめたまま、キッチンやランドリーで聞いた話をしながら過ごすした。


第96話


日時予約を間違えてしまいましたが、1日開けての11時更新は変わらず続けてゆきます。


これからもよろしくお願いいたします。


ブッマークや評価をいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤のディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/

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