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姉、声高らかに勝利宣言をする


一面銀世界の練習場を吹きを踏み均し、所々に身を小さくし隠せる程低い壁の様な物が作られている。


私の部屋でお茶会を開いたあの日、お祖父様が私が淹れる紅茶の手を見ながら、


「ディランをフレディと一緒に雪の中に押し倒し怒られたんだってな」


誰かから聞いたのか楽しそうに聞かれた言葉に


「はい。怒られました」


頷き返事を返すと、


「楽しかったか?」


「はい!とても楽しかったです。雪の上に寝転んでも痛くなく、ふわふわしていて気持ちよかったです」


思い出し笑いをしながら話を進めると


「エスメは楽しい事を考えるのが得意なのだな。そこでだな」


騎士団達と何か楽しい事ができないか。


お祖父様の言葉に首を傾げつつ、紅茶を蒸らす為に砂時計をひっくり返し窓の外へ視線を向ける。


連日降り続いている雪を騎士団の人達は、街の道の雪掻きや屋根の雪かきの手伝いをしているのだと聞いた。


雪掻きも大切だか、勘が鈍るのが怖いとも言っていた。


体が動かせて、騎士としての勘が取り戻せるもの。


だったら。


思いついた事を話せば、嬉しそうに何度も頷いてくれ、何度も打ち合わせをし


今日に至る。


「ディラン!貴方とは雪合戦で決闘を申し込むわ」


声高らかに宣言をすると数度瞬きをし


「ご説明をお願いできますか?」


眉間に皺を寄せたディランの言葉に、大きく頷き


「騎士団の人達と共に左右に陣を作り、雪玉を当て合うのよ」


雪玉の手持ちは100個

試合は3戦行う。

騎士団の人達はクジにて陣を決める。

魔法を使用しない

雪玉が当たった人は参加ができなくなり場外へ出る。


「私、ディランはどちらかに分かれ、指揮をとり自軍を勝利に導くのよ」


意気揚々に説明と行っていると準備ができた騎士団の人達がそれぞれの組に分かれ待機してくれている。


はやる気持ちを抑え、


「私やディランに雪玉を当てればその場で終了となり、勝利になるわ」


騎士団の人達を1人1人雪玉を当て減らすも良し、私やディランに当てて1発で終わらせるもよし。


そこは作戦を考える私やディランの心理作戦がものを言う。


そして、これだけは忘れてはいけない


「勿論、私達では役不足だわ。そこで助っ人として、フレディとイルどちらかを選び助言や手伝いをして貰えます!」


名前を呼ばれたフレディは目を大きく開け驚きの表情に対し、イルは事前から知っていたので穏やかに笑い


「年寄りですので、お役に立てるかどうか分かりませんがよろしくお願いします」


意気込みを語ってくれたので、


「ほら、フレディ、意気込みを言わないと」


驚いた表情にままいるフレディに話を振ると


「よろしくお願います」


戸惑いながらの言葉に、


「フレディは私とディランが生まれた時からの付き合い。手に取るように私達の行動が分かっているわ」


にっこり笑い言葉をつけたし騎士団の人達へ紹介をし終え、


「勿論、助っ人を呼ぶも呼ばないも自由よ」


あらかたの説明を終えディランを見据え


「覚悟は決まったかしら?」


真剣に話を聞いていたディランと戸惑いを隠せないフレディに問い掛ければ、


「ルールは理解できました。いつでも大丈夫です」


ディランの頷きながらの言葉に頷き返し


「お祖父様は中立を保ち不正などの監視にあたります。お祖父様の言葉に従い試合進行になります」


体ごとお祖父様へ向けると、楽しそうに目を細め、


「後は実戦あるのみだ。ディラン、エスメ、くじを引きなさい」


差し出された紙を2人同時に引きチーム分けが終わり、それぞれが陣に着く。


「ディラン!覚悟は良い?」


各自、作戦を立て意見を出し合い、配置に着き、1番奥に配置にいて欲しいとお願いされたその位置から

大きな声で向かいにいるディランに声をかけると、


「はしたなですよ、姉様」


普段と変わらない注意と呆れ混じりの声に、


「余裕でいられるのはここまでなんだから!」


腰に手を当て、胸を張り、


「イルさんに助っ人をお願いします!」


声高らかに告げれば、


「おやおや、早速ご指名でございますね」


笑顔を絶やさなず聞こえてきた言葉と雪を踏み締める音に、


「では、フレディを助っ人に」


ディランの声を聞きつつ


「イルさんは騎士団の事も詳しいから、これで勝ったも当然ね!」


勝ち気に笑い、自分に向かってくるイルさんを向かい入れ、腕を掴みしゃがみ込む


「イルさん、私、ディランと違い騎士団の方々とは挨拶と雑談しか交わした事がなく、個人の得意不得意が判らないのです。ご教授いただければ嬉しいです」


「なるほど、知りたいのは敵陣の特性ですね」


告げられた言葉に首を振り


「いいえ。自陣の人達の事を知りたいのです」


「それな、なぜでございましょう?」


聞き返されるとは思わず、不思議に思い


「短い時間ですか一緒に力を合わせる仲間ですので知りたいと思いまして」


思うままに伝えると


「さようでございましたか」


数度も頷いた後、では。と1人1人詳しく家族構成から好きな食べ物や思い人まで詳しく教えてくれ、騎士団の方々もどこか引いた雰囲気があったものの、


「ありがとうございます」


笑顔でお礼を告げると、


「エスメ。そろそろ始めるが準備は整ったか?」


お祖父様の声に


「お待たせをしてしまい申し訳ありません。準備が整いました」


イルと立ち上がり、お祖父様へ返事を返すと、


「では、双方準備が整ったということで」


一呼吸起き、両陣営を見渡し、


「勝っても負けても恨みっこなしだ。ディラン、エスメ、勝利を納めた褒美を出すから心して挑むよう」


思ってもみなかった言葉に驚くも、


空に向かって上げられたお祖父様の左手が下されると同時に、


「始め!」


始まりの時を告げ、両手に雪玉を持った騎士団達の声が上がり、玉が飛び交い始めた。



第90話


雪が積もるとやってみたくなるのですが相手がおらず、いつも思うだけです。


ブッマークや評価をいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤のディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/

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