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姉、止まらない


紅茶を一口飲んだ事でほっと

息を溢し改めてミランダを見ると


仕事の話をしている時は、

周りの空気が引き締まる程に

真剣な表情だったけれど


今は雰囲気も表情も柔らかくなり、


余裕のある大人の感じ。


前の人生での言葉を借りれば

そう表現できる程で、


どうしよう。

ギルトの会合にも顔を出して

貰っているし、コナーさんと

二人暮らしといえ


好きな人ができた。


とか?


先程まで仕事の話をしていたにも

かかわらず明後日の方向へと意識が

向いているのは分かっている。


けれど、それほどにミランダの

雰囲気が変わっており、


「どうしました?」


あまりにも見つめていたからか、

ミランダの問いかけに


「雰囲気が」


思った事をそのまま言い掛け、

慌て口を閉じたが、遅いかった様で


「ああ。私自身は分からないのですが

工房の皆にはよく言われます」


微笑んだ表情も口調も、領にいた時は

淑女として貴族の女性としての話

方だったけど


意識をして崩している様で、

聞き慣れないので少し違和感を

感じるが


ミランダなりに考えて実行してく

れている事だと思うので、


前と同じ口調に直して欲しい。


とは思わない。


「工房の仕事、どう?

忙しくて大変だよね?」


曖昧な問いかけになってしまい

慌て言葉を付け足したしてみたが

当たり前のの言葉で、


語彙力の無さに心の中で

重い息を溢すも


「毎日が充実してるわ」


楽しそうに微笑み、


「忙しいと言えば忙しいけれど、

自分が考えて皆に伝えて、その成果が

数字となって、時に評価を得て、

工房の皆と手を取り喜びあえて、

とてもやり甲斐を感じているわ」


生き生きと話すミランダとその

姿微笑ましそうに見守るコナーさん

の姿に、安堵の息を溢し


「そうなら良かった。

王都でも紙刺繍は人気で商会の

人達からも人気な商品なのよ」


以前ディランと街へ出かけた時に

感じた事を伝えると、


「数字で、そうでは無いかと

思っていましたが、エスメさんが

実際に見ての評価なら、皆、喜びます」


ギルトから届けられる売り上げなど

が書かれた書類では中々実感がなかった

というミランダに、


分かるわ。


心の中で頷き、


帰ったら街に出て紙刺繍を取り

扱っている商会を回るのも良いかも。


頭の中で軽く計画をたてていると、


「学園はいかがですか?

手紙で教えていただいてますが」


ミランダの質問に、頭を切り替え


「楽しく過ごしているよ」


この一言から話は止まらなかった。


ディランの事は勿論、マリーと

アメリアの事、クラスメイトの事、


「ルイがね、日に日に頼もしくなって

身長なんか軽く追い越して、体も

筋肉がついて、ディランよりも

大きんだよ」


思いつくままに話、一区切りを入れると


「ディラン様の件は心を痛めておりましたが、

大丈夫のようで安心したわ」


アメリアの言葉と


「ええ。ご一緒に淑女教育も受けていると

ミランダ様からお聞きし、驚きましたが、

身に付いているご様子。何よりです」


コナーさんの言葉に、頷き返し、


「そう言ってもらえると嬉しいな。

でもね」


そして再び学園で合った話をを続けると


「毎日、私を見てくる女性生徒がいてね、

その子がお茶会の時に助けてくれたのよ」


小さく体を揺らしたミランダに気がついた

が、動き出した口は止まらず話続けた。


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