姉、閃く
眠りから意識が覚め、瞼を開けると
いつもと違う天井を見つめ
どこだったけ?
寝起きで鈍い思考を動かし、現状を
1つ1つ思い出し
そうだ、領に帰ってきているんだった。
ゆっくりと動き出した思考に答えを
見つけ、起き上がりサイトテーブルに
用意されていたハーブ水を飲み、
ベットから出て、窓に近ずき厚手の
カーテンを開け、窓を開ける。
王都のある屋敷とは違い、穏やかに
のんびりと流れる雰囲気と空気を
体一杯になるほどに吸い込み、
窓を開けたまま、机に向かい
置かれた2つの工房の資料を読む為
椅子に座った。
大きな変動はないものの、
生産数に小さな変化が見らたが、
気にするほどでは無い。
親方さんから独り立ちする人は居ると
知っているし、技術の継承目的で
近隣の領から働き手を募集もしていた。
販売の独占というより、1つの工房で
作り続けるのは数に限りがあり、
欲しいと求めた人の元へ届くにの
あまりにも時間がかかる上に、
新作が作れなくなるのを防ぐ為。
この2年、技術の継承は進み、
働き手も増えているので後数年で
解消される見込み。
改めて書かれている文章に小さく
頷き、紙刺繍工房の報告書に目を
通す。
こちらは、新作の計画とデザインと
共に報告書もついており、
「こちらも安定してる。と」
街に住む、女性を中心に雇っている
紙刺繍工房は、最初の物珍しさは無く
なり、趣向品として貴族女性を中心に
広がっているので、
常に新しいデザインを発案し、
作り続ける。
どの世の女性の世界の流行り廃りは
早く、いっときの流行り物にならずに
定着できたのが大きな成果で、
貴族女性と中心に、女性の収入源の確保
寡婦となった、また、何らかの理由で
教会で過ごすこととなった子供の働く場
となる理解。
商品を買うと、働く人たちの生活の
収入になるので募金の意味で購入して
くれる方々も多い。
そう、王妃様や上位貴族の女性が
広めてくれたのが成功の要因。
私達はその期待に応えられる様に、技術を
磨き、常に新しいデザインを考える。
ただ、常に最新の案も、時に詰まり
出ない時もある。
「今までミランダ頼りだったけれど、
デザイナーを募っても良いかも」
まずは、お祖母様に話して、
それからミランダにも提案して、
そうだ。
まずは工房で働く人達のみと
して案を出そう。
これが上手くいけば多忙のミランダの
負担も少しは軽くなるはず。
「よし。まとめよう!」
引き出しから、紙と羽ペンにインクを
取り出し、思いついたままに書き、
できった所で文章にし書き終えた所で
ノックの音が聞こえ、
首を傾げつつ返事をすると
「おはようございます。朝食の準備が
整いました」
姿を見せた懐かしい人の言葉に、
「あ!」
マルチダがいない事を思い出し、
「すみません。急いで準備をします」
今まで寝巻きだったことを思い出し、
整える為に慌て椅子から立ち上がった。




