姉、伝える
挨拶を済ませミランダを含め、
4人で先程座っていたソファ座り
まずはマナーに沿って、お祖父様を
中心に軽い方向を聞き、
お祖母様の質問にミランダは答えを
返す。
その間には入らす、話を聞き時に相槌を
打ち、紙刺繍工房の現状を把握してゆく。
職人も育ち始め、商品を多く作れる様に
なるとそれに伴い売り上げも伸びている。
経営としては良い方向へ進んでいる様で
近隣の領から働きに来たで技術の習得
ができ、手慣れてきた頃に領へ帰る
人もいるらしく、
「その人達には、紙ではなく生地に
刺繍を刺す仕事をお願いしております」
手紙で報告は受けていが、改めて聞くと
少し複雑になるものの、
「こちらからの依頼は勿論、帰った領では
この工房で働いていたのならと、貴族から
ドレスの刺繍も任されている人も少数ですが
おります」
ミランダの言葉になるほどと頷き、
帰っても収入があるのならばと安堵する。
ただ、人員の流失を少しでも減らすのは
考えないと工房も続かない。
お祖父様もお祖母様も、その事は考えている
様で、
「良い事でもあるが、考えなければならないわね」
お祖母様の言葉に小さく頷く。
その後もこの話題は続くも、
「領に住む子供達は母親や姉に知り合いが
働く姿を見て、自分も工房で働きたいと
家で練習をしている。という話を休憩中に
良く話題に出ております」
若い世代がそのまま工房で働きたと思える
経営を続ける。
新たに掲げた自分の中の目標を作り、
決意を固めているとミランダを目が合い
「よければ、明日、工房へお邪魔したい
のだけど」
思い付いたまま伝えると、伺うように
ミランダの視線はお祖母様へ向けられ
「ごめんなさいね。今回は内密なのよ」
お祖母様の申し訳なさそうに下げた眉と
笑みに、戸惑いつつ頷き
「そうでしたか」
理解したと言葉と行動で示したのち、
「そう言えば、お祖父様、お祖母様と
ミランダに聞いて欲しい話があるのです」
一瞬変わってしまった雰囲気を変える為に
話題変えを伝えると、
「何か良い事を思い付いたの?」
お祖母様も自分の気持ちを察してくれ
流れに乗ってくれたので、
「刺繍をブローチにしてはどうかと、
思っているのです」
ディランとフレディに伝えたままを
3人に伝えると、
「確かに、贈り物としては良いかと
思います」
ミランダの言葉に手応えを覚え、
「今までハンカチーフが主だったけど
ブローチなら身につけられるけど」
お祖母様の言葉に、頭の中では
分かっていた事が聞こえ、確かにと
心の中で頷く。
「身に着ける物は宝石でようやく
魔法石も根付いてきた所にブローチか」
お祖父様の言葉に
「刺繍ならば、貴族の女子は手習で、
平民も繕うぐらいならばできるかと」
自分の言葉が足らなかった事に気づき、
「布を選び、糸を選び、自由にデザイン
し自分だけの刺繍を刺し、贈る。
この世のただ一つしかない贈り物です」
握り拳を作り、勢いのまま伝えると、
「それならばハンカチーフでいいので
はないかしら?」
お祖母様の言葉に
「確かにそうですが、密かに持つと
身に付けるでは気持ちが違いますね」
自分の考えに頷いてくれるミランダ。
見守る体制をとっているお祖父様。
「考え方の違いかしら?」
お祖母様の言葉に、ゆるりと首を振った
ミランダは、
「公にはなっておりませんが、紙刺繍の
キットの購入し作成する、男性は
少なからずおります」
貴族社会では考えられない事でも、平民
の世界は違う。
好きな女性にねだられれば、
自分に気を向けてもらえるなら。
と、密かに売れ、平民に近い男爵籍で
家から出る男性にも広がりを見せている。
「なんでも、大きく太い指で困惑しながら
自分の為だけに、作ってくれる姿が、
可愛くて、愛おしい。と工房で働く
若い子達が嬉しそうに話してくれました」
ミランダに続け告げられた言葉にお祖父様も
お祖母様も驚き、
「あらあら。それは」
その後に続く言葉ななかったけれど、
隣に座るお祖父様が刺繍を刺す想像を
したのだろう、
目元を柔らかく緩め、
「なら、少なめの個数から始めても
いいかも知れないわね」
お祖母様の言葉に、販売が決定となり、
「では、このまま話を詰めさせて
いただければ」
ミランダの言葉に一気に話は進み、
「親方さんにお願いがあるから、私が先に
話しておくね」
アメリアに贈るプレゼントの話もあるので
提案すると、
「お願いするわね」
お祖母様の許可を貰え、
「休憩を入れよう」
話の切りが良いとお祖父様の提案に
皆が頷くと壁側で待機していたお祖母様の
メイドさん達がお茶の準備したした。




