姉、心を痛める
教室へ向かうために廊下を歩けば
いつの模様に視線を感じつつも、
気づかないフリをし通り過ぎる。
貴族クラスと平民クラスの合同
お茶会の後なので、話しかけても
良いとは思いののの、
身分の関係は無い。
そう、表立って歌われている学園
出会っても、実際はそうでは無い。
生まれた時から身につけている
身分の格差と振る舞い早々に取れる
訳でも無く、
互いの平穏な時間の為に、
知らないふり、気づかないふり
が1番良い対応なのだと改めて
自分に言い聞かせ教室へ入れは
クラスメイトから朝の挨拶を貰い
ルイと共に挨拶を返してゆく。
いつもの様にマリーに挨拶をし
自分の席に座る際に、横目で
この数ヶ月使われていない机を
見て、
心の中で重い息を溢す。
2年の途中からボーイックは
姿を見せていない。
クラスメイトの話では、
両親に交際の事を咎められ自宅謹慎
されている。
どこかの国に勉強として出されている。
など、あるかもと思う話から
顔を顰めるような話も聞きいて入るが
どれが正解なの分からないままでいる。
お伺いを立てるべきかしら?
ボーイックの生家は名の知れた商会。
いきなり訪問できる程、気安い関係
でもないし、ご両親にお会いした事も無い
お伺いをし、ご両親の都合を尋ねてからの
訪問が良いわよね。
教授の講義と聞きつつ、考えて
昼食後のルイとマリーと3人での庭園散歩
の時に伝えると、
「そうだな。俺達が動き前にディランに
相談した方がいい」
ルイの助言に
「私もそう思います」
マリーは真剣な表情で深々と頷く。
「商会の中でも上位にある立場の人が
同じクラスと言えども平民の俺達が
気軽に会える立場ではないからな」
ルイの続けた告げられて言葉に
頷き、帰ったらディランとフレディに
相談する事を2人に告げつつ、
散歩を続けていると
涙声の女性の声と厄介だと受け答え
をしている男性の声に3人で顔を
見合わせた後、視線を向けると、
自分達とは違うブレザーの制服姿に
貴族クラスの人達。
聞こえてくる内容な交際を悟れる
言葉の応酬で、
再び顔を見合わせ、小さく頷き
見なかった、聞こえなかった事にし
気付かれない様にその場を離れた。
この半年、庭園を散歩に出ると
見かける光景に、心の中で重い息を
こぼし。
言い合いをしているなら良い。
隠れで声を殺し涙を流している
女性生徒を見かけると、
無意識にハンカチを持って
慰めに足を動かし
ルイやマリーの静止を振りきり
何人かに声をかけた事がある。
泣いている理由は聞かない。
でも、ハンカチを手渡し、
無理に微笑もうとする表情が
辛くて、つい頭を撫ぜてしまう。
驚く表情。
無理に微笑もうとして涙が溢れる
表情。
警戒をしつつ微笑む表情。
様々な表情を見てきた。
どうして泣いているのか聞かない。
声も掛けない。
ただ、愛しむ様に、悲しい気持ちが
少しでも薄れるように頭を撫ぜる。
突然現れた見知らぬ平民に頭を
撫ぜられるのは不快だろうなぁ。
そう思うも、泣いている女性生徒を
見ていると、何もせず通り過ぎる事は
できなかった。
今日は居ないわね。
無意識に探してしまった事に気付き
つつ、散歩を終わらせた。




