姉、卒業後を考える
ディランやその親友達に
水をかぶせてしまった日から
数日経ち、
屋敷でディランと過ごす時間も
1ヶ月前と何ら変わらず、
朝食を共に食べ、行き帰りの馬車も
仲良くおしゃべりをし、帰宅後も
ディランの部屋で就寝までを過ごす。
当たり前ではあるけれど、
懐かしくも、新鮮でついつい夜
遅くまで話してしまうが、
フレディの一言で強制終了させられ
今日も自室に戻ってきた。
「ダメね。つい楽しくて夢中になって
しまうわ」
暖かなお湯と良い香りに包まれ
1人反省会をし、マルチダに促され
湯船から出て、体い付いた水分を拭き
肌着を身にまとい、濡れた髪を布に包み
ドレッサーまで移動をし、
マルチダに手伝って貰いながら髪の
手入れをする。
そろそろ独り立ちの事もしっかり
考えないと。
半年も経たずに卒業となる。
卒業したら、王都から寮へ戻り
どこか街で部屋を借りて生きていく。
ざっくりと決めた卒業後の生き方も
本格的に動き出さだないと間に合わず、
今度、領へ行った時にその話も
お祖母様とお祖父様にしないと。
考えに集中していたようで、ほぼ全てを
マルチダがこなし、
「ありがとう」
鏡越しに目を合わせお礼を伝えると、
目礼が返り、ドレッサーの椅子から
立ち上がりベットへと足を進め、
布団の中に身を沈め
「おやすみなさい」
「おやすみなさいませ」
互いに就寝の挨拶を交わし、
マルチダが部屋を出ていく背中を
見送り、
先程考えていた事を再び考え出す。
1人で生活することには不安はない。
前の人生でも一人暮らしの経験もある。
生活水準は前の人生とは違うけれど、
何とか適応もできてるし、
有難いことに、全魔術が使えるので
何かあれば魔術に頼る事もできる。
まぁ、これは本当に何かあった時の
最終手段で、
魔法石があるので、何とかできる。
という自信はある。
ミランダにそれとなくお伺いを
立てよう。
アパートメントで過ごしているt
ミランダの部屋には何度もお邪魔して
いるので
何となく雰囲気と動線も理解している。
が、領を離れ2年とちょっと。
自分の記憶が古い事も理解している。
今度行った時に、部屋探しもしなきゃ。
考えていると眠気がやってきてそのまま
眠りにつき、
翌朝、いつも通りに工房の報告書読み
ミランダとお祖母様に一人暮らしの
考えを書き、準備の手伝いに来てくれた
マルチダに手紙を託し、
朝食の招待に来たフレディと3人で
ディランの部屋に入り、朝食を食べる
最中
「領に行ったら一人暮らしをする
部屋を探すつもりなの」
何気なく言った言葉にディランが
珍しく目を見開きつつ驚いて表情を
するので、
珍しいな。
可愛いな。
ほくほくと眺めつつ朝食の白パンを
食べていると、
「すみません。もう1度
お願いできますか?」
理解できなかったというディランを
不思議に思いつつ、
「領へ行ったら卒業後に住む部屋を探しに
行く予定なの」
事はを変えつつ同じ内容を伝えると
「ありがとうございます」
何か苦い物を飲み込んだ様な表情と
合わない冷静な声での礼に首を傾げつつ
頷き返した。
身内の体調不良があり更新ができず申し訳ありませんでした。




