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姉、日常が戻る


前夜、どれだけ遅く寝ても

起きる時間は同じで、


寝覚めは良い時もあれば、

悪い時もあるけれど、


大概は前日の自分のせいなので

重い息1つ落としすだけにし、

ベットから出て机へに向かい

生活魔法工房と紙刺繍工房から

届く報告書に目を通し、


変わらず、生産に売り上げ数が

合っていないが、


「職人さんの生活もあるから

こればかりは」


無理させて生産を増やしても

職人さんの生活や体を壊しては

商品自体が作れなくなる。


それを理解しつつの生産なので

ご理解いただきたい。


働く人達の心身が良好じゃないと

良いもの作れないしね。


紙刺繍は職人が増えてきている

のでもう少し生産が増やせそうだ。


とミランダからの報告に、


昨日ディランと話した隣国の状況を

思い出し、


「ミランダに会いたいなぁ」


久しく会っていない事も同時に

思い出し、


自分個人に届いた手紙を開くと

ミランダからで


季節の挨拶から始まり領の様子が

書かれ


次の王都や学校の様子はどうか?

と尋ねの言葉の後


ディラン様のご様子はいかがですか?


気遣う様に書かれた文字に


「もう、大丈夫だよ」


うっかり声を出して返事をして

しまい慌て口を閉じたが、今は自室

で自分しか居ない。


大丈夫ということで。


競り上がってくる恥ずかしさを、

誤魔化し返事を書くために羽ペンを

手に持ち先にインクをつけた。


声にして言いたい事を文字に

書いていく。


そうすると感情の勢いも少し

落ち着き、書きたい事を選別して

書き手紙を仕上げる。


描き始めた頃は言いたい事が沢山

あって封筒に入らない程だったが、


今は落ち着き封筒に入るぐらいの

枚数に落ち着いてきた。


尋ねられたディランの事もしっかり

書き、親友達に匂いが原因で水の魔術を

発動させてしまった事も書き、


マリーにアメリアにも心配かけた事、

ルイにも迷惑をかけつつ学園生活を

遅れていることを書き、


先後に、会えていないボーイックの

事が心配だと書き、羽ペンを置いた。


久しぶりの枚数に、


仕方ない、だってねぇ。


と誰に聞かれたわけでもないのに

言い訳をし、インクを乾かす為に

ローテーブルに広げ


再び机に戻り、昨夜選んだ魔法石を

目の前に並べ、


一粒握り、魔法石に意識を集中させる。


暫くすると白く光、ゆっくりと光は

消えていった。


魔法石に魔力を込めていると

ノック音が耳に届き入室許可の返事をし


「おはよう、マルチダ」


部屋に入ってきたマルチダに挨拶をすると


「おはようございます。エスメ様」


一紙乱れぬ礼が返り、


「もう少しで終わるから待っててね」


残り2つの魔法石に手早く魔力を込め

椅子から立ち上がり、ドレッサーへと

移動しマルチダに身を任せる。


髪を手早く纏めてくれ、制服である

紺色のワンピースに着替え、


「あら、リーフの刺繍」


袖口の刺繍に視線を落とすと、


「ミラが刺したと聞いております」


マルチダの言葉に、


「綺麗に刺せる様になったのね。

フレディに自慢しなくちゃね」


そんなことを話していると、

力強いノックの音に


「どうそ」


返事を返し開く扉を見ていると

見知った姿が見え


「おはよう、フレディ」


挨拶をすれば


「おはようございます。エスメ様」


マルチダ仕込みの綺麗な1礼をくれ

1ヶ月ぶりのディランの部屋で朝食を

取るべく3人で移動をし、


「おはよう、ディラン」


部屋の中心で向かい入れてくれた

ディランに飛び込みつつ、挨拶を

すると、


「おはようございます」


倒れる事も、タタラを踏む事もなく

しっかり抱き締めてくれた。



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