姉、弟の会話を楽しむ
魔法石に魔力を込めると色が変わる
のに対して、魔術で作り上げた硝子は
色が変わらないのは
なぜなのか?
当たり前すぎて、疑問に思わなかった
事が気になり出す。
書籍を読み、自分の中で仮説を立てる。
透明度の違い。
工程の違い。
自然からの採取である魔法石に魔術を
発動させ作った硝子。
様々な仮説を立て、
「考えていても答えは出ないわよね」
出した答えに頷き、
「マルチダ、お願いがあるの」
壁際に控えていたマルチダに声をかると
「硝子と魔法石の用意をしてまいります」
お願いを口に出すよに先にマルチダの
言葉に
「ありがとう。お願いね」
お礼を伝えれば、1礼をしディランの
部屋から退出をする姿を見送り、
自分が作った硝子の薔薇を手に取り
まじまじと見つめ
「この薔薇が黒くなるのかぁ」
対面に座るディランの姿が綺麗に
見える程の透明な薔薇の変色が
どうしても信じられず言葉を漏らすと
「実物をお借りできればい良いのですが」
秘密の様に従者達だけの時にでた話題を
持ち主に尋ねる訳にはいかず、
眉を下げ申し訳なさそうな表情をする
フレディに
「ごめんね。つい」
従者の立場と関係。
我が家はディランのお友達の中で1番下の
位置にある立場。
従者と言え上位の者に使える人達に
貸して欲しいとは中々言いずらい。
その事への理解が足らなかった事への謝罪
をし、改めて硝子の薔薇をまじまじと
見つめる。
ま、分からないものは考えても
仕方ないわね。
手に持っていた硝子の薔薇を机に置き
「話は変わるのだけど、ディランのクラスは
授業とはかどんな感じに進んでいるの?」
この1ヶ月、ディランの反抗期から会話
らしい会話ができなかったので、折角と
話題を振ると
「そうですね。経済学に近隣の国内情勢
を中心に基本の教科が進められております」
昨日のディランとは違い、穏やかに話して
くれる姿に嬉しくて目の奥が熱くなるが、
泣く訳にはいかないでの瞬きをして誤魔化し
「私達も経済学と近隣の国内情勢の講義を
受けているけれど、同じかしら?」
会話を続けられる様に言葉を繋げると
「どうでしょう? では」
ディランのその言葉で近隣国の情勢を
どこまで習っているか擦り合わせが
始まった。
久しぶりの会話なのに講義の内容なのは
少し楽しくないけれど、お互いの共通で
話が続く話題がコレしか思い浮かばな
かった。
流れるように話すディランの話に頷き、
時々、質問をしつつ、フレディの知識も
挟みながら進む中、
「現状、平民と貴族が王家に不満を持ち
いつ非常に危険な状態です」
ミランダの出身国であろう国の現状は
自分も習った通りだけど、
「聖女さまが王家に嫁入りして、均等が
崩れると言うのは、何か大きな問題が
あったと言う事よね?」
言葉に出してみたが、思い当たるのは
ミランダが国外へ出てきた理由の一部
だと察して入る。
「ええ。異世界からやっていきた聖女様
と聞いております。それ故にマナーや
ルールに考え方の違いに、平民や貴族が
戸惑っている。と聞いております」
ディランの言葉に
「まぁ、いい様に言えばそうですが、
他所から来た聖女様がご自身の国の
アレコレを有無言わさず押し付け、
貴族から反発が出ている」
これが現状ですね。
フレディの言葉に、
「生活する場所が違えば、数え切れ
ない程の違いはあるけど、強引なのは
いただけないわね」
自分の考え言葉にするとディランも
フレディも頷いてくれ、
「慣れ親しんが生活が無理矢理違う
ものにされれば、誰もが反発するのは
当然です」
「擦り合わせもなしですからね」
ディランの言葉にフレディの言葉
それぞれに頷きつつ
ミランダは大丈夫かしら?
祖国の現状に憂いてなければ良い。
何か助けが必要ならば、全力で助ける
事を決め、
「異世界かぁ。不思議な事が起こるのね」
ポッリと言葉をこぼした。




