表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

721/751

姉、実験をする


硝子の薔薇


突然、フレディから出た言葉に

中々思い出せず、首を捻って

しまったが、


ディランが補足をする様に話し

くれた言葉でようやく思い出す

事ができた。


けれど、


多分だけど何かを誤魔化す様に

作った薔薇だと思うけど、


黒に変色することなんてある?


フレディが言うには、


透明な硝子の薔薇が、気がついたら

黒に変色していた。


との事。


ゆっくりと変色したのか、


急激に変色したのか、


それも分からないと言う。


ただ、気がついたら変色をしていた

らしく、


「姉様、気を付けてくださいね」


庭で4本の薔薇を作って再びディランの

部屋に戻り、


その薔薇にそれぞれの魔術を入れて

変色をするかの実験をするのだけど、


久しぶりのディランの素直な心と

言葉に目の奥が熱くなるのを感じつつ、


「ありがとう。気をつけるね」


頷きと共にお礼を返し、


まずは一本手に持ち、


よく使う火の魔術を発動させ

硝子の薔薇に向かって入れてみる。


指先から薔薇の茎へと流し、

薔薇全体へ行きわたらせる様に

想像し流しこむ。


どれだけ流し込めばいいんだろう?


硝子の耐久を考え少量つづ入れているが

いくら入れても透明のままで、


どうするか伺うようにフレディに

視線を向けると、


「変化がありませんね?」


返事が返り、


「姉様、どれ程入れたか分かりますか?」


ディランの問いかけに、


「そうね、感覚でしか答えられない

けれど一応、花弁から茎の先まで

入れてみたけど」


色が変わらないので本人しか分からない

のが難しい。


更に薔薇に火の魔術を入れ続けると、

限界を迎えたたのか、ヒビが入る音と

同時に砕けてしまった。


「姉様」


「エスメ様、動かないでください」


ディランの悲鳴のような呼びかけに

大丈夫だと頷き返し、


フレディの冷静な指示に頷き

硝子の破片が落ちない様に集め


「フレディ、それ貸して」


白いハンカチに集められた硝子の

欠片を受け取り、再び薔薇の形に

作り直す。


「透明だよね」


火の魔術を混ぜた硝子の薔薇は

最初に作った薔薇と同じの色をしていた。


他の薔薇にも水の魔術、風の魔術、

土の魔術を入れてみたが、


「どれも同盟のままだったわね」


作った全てに魔術を入れ終えたが

変化は無く


「魔法石とは違うのですね」


ディランの言葉に、


「確かに、魔法石だと火の魔術は赤

水の魔術は青、土の魔術は琥珀色

風の魔術は緑色。それぞれ色が出るのに

硝子だと出ないわね」


頷きつつ返事を返し、まじまじと硝子の

薔薇を見つめる。


「色が分かるのは、魔術では無い。

という事でしょうか?」


フレディの言葉にディラン顔を見合わせ


「環境だとそれぞれ違うから、その場所に

住んでいる人にお願いするしか無いわね」


「そうですね。僕の部屋と姉様の部屋に

置いて観察をしましょう」


自分の提案にディランが頷いてくれ


「私からもお願いしてみます」


フレディも同意してくれたので、

一旦、硝子の薔薇の話題を終え、


一息つくのにフレディが紅茶を淹れて

くれたので、1口飲み


「そういえば」


と違う話題をするとディランは目尻を

緩めながら話に耳を傾けてくれた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ