姉、努力する
隙さえあれば、
大好き
かっこいい
伝えていると、めんどくさいと
言う雰囲気と態度をくれる。
ディランの中では自分は、
何をしても大丈夫で受け入れてくれる
という位置付けなのかもしれない。
今日も、晩餐は一紙に食べてくれた、
が、
可愛い。
この言葉が気に入らなかった様で
晩餐も終了後すぐに食堂から出て
行ってしまった。
「どれだけ、背が大きくなろうと
歳を取ろうと、私にとってディランは
可愛い存在なのよ」
居なくなったディランに向けて
告げた言葉に、マルチダが淹れてくれた
紅茶を飲む。
ディランの反抗期が始まり、なんとなく
屋敷の雰囲気が変化しつつも、
日常は変わらず進んでゆく。
朝は互いの部屋で食事を取り、
登校時に使う馬車の中で
「おはよう、ディラン」
「おはようございます」
朝の挨拶を交わし、そこからは
無言になる日もあるけれど、
フッとディランの表情を見ると
「何か、楽しみにしている事があるの?」
ディランの口端がほんの上がっている
事に気づき尋ねると、
どこか手間だと言わんばかりの態度の
後に、
「ええ、まぁ」
瞼を閉じ何をか思い出しているようで
穏やかな表情になり、
楽しみな講義でもあるのかしら?
嬉しく思いつつも、ふんわりと香った
甘い匂いに
香水までつけて、よほど楽しみな事が
あるのね。
その後は会話らしい会話はなかったが
途中で止まった馬車から降りて、
ルイと共に教室へ向かって歩く。
いつもの様に男性生徒に囲まれた
噂の絶えない女性生徒の視線を貰いつつ
気づかぬふりをし教室へ
ディランから香った甘いに匂いが
鼻の奥に残ったものの、意識は
楽しそうに笑うクラスメイトに
意識が向けられ、
小さ変化に気付いたものの
さほど気にも留めず何気ない
1日が始まる。




