表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

707/752

姉、困惑する


目覚めてからの動きは決まって

おり、厚手のカーテンを開けた後

机に向かい生活魔法道具工房と

紙刺繍工房の営業報告書を確認


それが終わればミランダやミラ

そしてお祖母様から届く手紙の

返事を書く。


いつもは何も考えなくても、

書きたい事が次々に溢れ出てくる

のに


つい羽ペンの動きを止め、考える。


ディランの事を書いても良いのか。


書けば皆の心を煩わせてしまうのでは。


そう思うと続きが書けず、


「他に書けそうな話は」


無意識にこぼした言葉に、


「生徒会主催のお茶会があるわ」


名案だと頷き、羽ペンを動かす。


止まる事なく書けた手紙に気分が上がり、

マルチダが来る頃には数枚の手紙が書き

終わっており、


「おはよう。マルチダ」


今日は自分から朝の挨拶をすると、

微かに表情が動いたものの、


「おはようございます」


いつも通りに挨拶を貰い、机から離れ

制服を着替え、紙を結い上げてもらう。


「朝食ですが」


鏡越しにマルチダと目を合わせ、

尋ねられた言葉が理解できず、数度

瞬きをしたのち、


「ルイは?」


ルイはディランからの招待を受けている

のかを尋ねると、


「食堂に準備をしております」


返ってきた答えに、ディランが気になった

ものの、自分が何か言うと良くない方向へ

動くことも分かっているので、


「そう。私も食堂でいただくわ」


幼馴染とは言え客人であるルイを招待しない

ディランを心配しつつ、マルチダを連れ自室を

出て、食堂へと向かった。


ルイの正面に座り共に朝食を取り、自室に

移動して食後の紅茶を楽しむ。


その間もディランの様子は分からす、

登校の時間になり、ルイと共に玄関口に

向かうと


すでにディランは馬車に乗っており、

フレディの手を借り馬車に乗り込み


「おはようディラン。

遅くなってごめんなさい」


挨拶と共に謝罪をすると


「いつもの時間より遅いのはご理解

できていますか?」


普段より低い声に驚き


「えっと、ごめんなさい。

明日から気をつけます」


改めて謝罪をし椅子に腰を下ろし

次に入ってきたルイが何か言いそう

だったのを視線で静止、


「よう」


「おはよう」


ルイの親しげな人に限定した短な挨拶に

ディランも同じように返し、


「姉様がすまなかった」


続けて紡がれた言葉に思わず驚きの

声を上げそうになったものの、寸での

所で堪えディランの顔を見るも


こちらを見ておらず、


「いや、俺の準備が遅かった。

待たせて悪かったな」


ルイの自分を庇う言葉に、ディランに

一瞬、強く睨まれたものの、フレディが

馬車に出発の合図を送った事で


馬車が動き出し、誰もが話さないまま

馬車は学園に到着をした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ