姉、皆を励ます
出迎えの担当の男子生徒が
扉を開け出迎えを始めると、
まずは下位貴族の方々が入場
をする。
テーブルに案内し席に座って
貰うがまだもてなしはしない。
男爵から始まり伯爵籍まで
入場が終わる頃、
公爵籍を持つ招待客に
入場の声をかかけに行く。
主に生徒役員を務めている
彼らは王家との関係も限りなく
近く、
呼びに行く担当はルイで
満場一致だった為、
「行ってらっしゃい」
笑顔でルイを見送り、
「さて、私達も頑張らないとね」
緊張で顔を強張らせたり、
顔色を悪くしているクラスメイト
に聞こえる様に少し大きな声で
マリーに伝えると、
「はい」
少しぎこちない笑顔と返事が
返ってきたので
「深呼吸よ。ゆっくり口から吐いて、
呼吸を出し切ったら鼻から吸って。
身体中に空気を送る感じでね」
背中をゆっくりと摩りつつ、
深く呼吸をする様に伝えると
至る所から深呼吸をする音が
聞こえ出し、
微笑ましく思いつつ少しでも
強張った体が解れたようで、
皆が強張りが取れた頃、
「生徒会役員の方々の入場です」
その言葉に、皆が緊張をしだす。
ここまできたら、後は
やり切るだけ。
どうとでもなれ。
この精神で行くしかない。
自分の胸に手を当て緊張を
しているか確かめるが、
今の時点では大丈夫の様で、
何かあれば私が助けに入れる
様に動こう。
壁側に控えると視界には
普段見れないディランの姿に
大きくなっても可愛いに
変わりはないけれど、
学園にいるディランは
かっこいいに入るわね。
生徒会役員であるディランの
動きを目で追いつつ、
ルイが引いた椅子にディランが
腰を下ろす姿を見て、
ほっと息を漏らす。
生徒会役員が全員、着席すると
給餌が始まる。
ティーフードは事前に置いて
あるので焼きたてのスコーンと
紅茶も配り終えれば
お茶会が始まりを告げる。
華やかな会話に耳を傾けつつ
雰囲気を読みつつ、違う紅茶を
準備に手を動かしマリーに
配給するようにお願いをする。
マリーの動きを見つつ、
視線を動かし部屋の奥。
出入り口の扉の方へ視線を
向けると、
一部、雰囲気が悪くなっている
テーブルがあり、
動きが目立たない様に
そっとその場から離れ近くに
行くと、
話の内容はわからないが
何やら険悪な雰囲気に、
「何があったの?」
近くにいたクラスメイトに
小声で尋ねると、
「どうやら、噂の女性生徒と
同席の方の婚約者との間に
何かあったようで」
同じ様に小さな声で返事を
返してくれ、
大体の話の流れが理解でき
男女関係かぁ。
1番解決が難しいなぁ。
心の中で重い息を落とし
少し香りの強い紅茶を
テーブルに居る全員分淹れ
給餌を行う。
少しでも会話が切れれば
良いのだけど。
香りに意識を持っていければ
と配ると、
「あら、良い香りね」
怒りを切ってくれた様で、
安堵の息を体の中に落としつつ
お褒めの言葉に礼で持って
返事をした。
多分、先程までの大きな声での
言い合いはしないと思いつつ、
「何かあれば、また来る」
そう言いその場を離れ持ち場に
戻り、何事もない様に振る舞い
壁側に控えると、
アメリアと視線が合った。
さっきの対応へのお褒めの意味が
籠った視線だったが、
が、大きく反応をする訳にはいかず
目礼で返事を返す。
その後も、先ほどのテーブルで
歪みあいは続き、時折手助けに
行くと
「あなた、何なの?」
噂の女性生徒に声をかけられ
動きを止め、失礼にならない様に
立ち止まる。
クラスメイトが動きを止め、
息を殺し自分を見ている視線と、
揶揄する視線に
心配げに送られる視線、
興味本位の視線
様々な視線を一心に向けられた。
予約投稿の設定に失敗し、投稿ができておりませんでした。
申し訳ございませんでした。




