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姉、腑に落ちない


初回のお茶会を終え、


「反省会は明日行いますわ」


招待客を見送り、後片付けを

終えた後のアメリアの言葉に

マリーとルイとで頷き、


「また、明日」


別れの挨拶をし教室を出て

他愛のない話をしつつ、マリーと

別れ、ルイと共にフレディが待つ

馬車へと歩く中、


「話に出てきた商人のって

ボーイックだよね?」


1人で判断するよりかはと同じ

話を聞いていたルイに尋ねると


「まぁ、そうなんじゃねぇの」


興味が無いのか適当とも取れる

返事に足を止めたが、腕を握られ

歩く様に促され、渋々足を動かし

つつ


「ルイはボーイックがどうなっても

良いの?」


新学期になってから教室で姿を見て

いない事に今日まで気が付かなかった

自分が言う言葉では無いと分かり

つつも、ポツリと溢すと


「本人が考えて選んだ事を、

俺らがどうこう言うべきゃ無いだろ」


ルイの言葉に理解もできたが


「そうだけど、そうじゃ無いでしょ」


どうしても納得できなくて、

重めの息と共に溢すと


「エスメだって分かってるだろう。

俺たちが言っても意固地になって

余計悪い方向にいく。

アイツ自身が気づいて正すしか

無い」


その通りだし、ルイの言葉は

全て正しいと思う。


返事をできずに居ると、視界に端に

フレディが見えだす。


「だから、ボーイックが教室に来た

時にいつも通りに挨拶をして迎えて

やればいい」


ルイの言葉は全てが正しくて、


「そうね。そうするわ」


早く教室に来てくれる事を願いつつ


「フレディ、ただいま」


馬車の外で待っていてくれたフレディに

声をかけると、瞬間、眉が動いたが


「お帰りなさいませ」


従者の礼とと共に返事を貰い、馬車の

扉を開け中へ入る様に促され、


「ルイ、また明日ね」


「おう、またな」


馬車に入らないルイに別れの挨拶をし

車内に入り椅子に腰を下ろすと、

急に体の重さを感じだす。


知らず知らず朝から緊張していた様で、

静かな馬車の中で重い息を吐き出し、

瞼を閉じた。


名を呼ぶ声が遠くから聞こえ、

導かれるように意識を向けると、

今度はしっかりと名前を呼ばれ、

肩を揺らされている事に気づき

瞼を開けると、


心配そうに自分の顔を見ている

フレディに、


「ごめん。寝ていたわ」


慌て姿勢を正し謝ると、


「今日はお疲れでしたからね」


その言葉に申し訳なく思いつつ

微笑み返すと、視線で開いている

扉を見る様に告げられ、


屋敷に戻った事を知らされ、


「ディラン、ごめんね」


フレディ腰に正面に座っている

はずのディランに謝ると


「いえ、別に」


素っ気ない返事が返って来たが

最近のやり取りなので、気にして

いない風にみせ、改めてフレディに

大丈夫だと視線を向けると、


小さくな付いてくれ、馬車から

外へ出ていった。


それに習い、ディランか外に出て、

降りる手助けの為、手を差し伸べて

くれるので遠慮なく握り、光の魔術を

発動させ馬車から降りた。


いつものやり取りとなりつつある

ディランの変化に悩みつつも、

玄関先で出迎えてくれたマルチダを加え

足早に屋敷に入り、自室にて着替えをし

結っていた髪を解き、呼びに来た

フレディと共にディランの部屋へいく。


いつも通り、小さな笑みで迎えて貰い

フレディが淹れてくれた酸味のある

ハーブティーを一口飲み、


「お茶会、上手くできたわ。

協力してくれてありがとう」


正面に座るディランに壁側に控えて

居るフレディとマルチダに向かい

お礼を告げれば


「姉様の努力の結果です」


ディランの言葉に、


「ありがとう」


嬉しくなり心が蕩けそうになりつつ、

今日のお茶会で交わされた会話を

話し出した。



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