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姉、もどかしく思う


ディランの様子を見守り

学園が終わり、馬車が屋敷に

到着し降りる際に、必ず


光の魔術を発動させている。


馬車の中ではどこか違和感があったが

魔術を発動させた後は穏やかで


いつも通りのディランになるが、


本当にいいのだろうか?


毎日、魔術をかけて良いのか不安に

なりつつも


ディランが元気になるいいかな。


ちょっと悩みつつも、共に朝食を食べ

馬車に乗り込み学園に向かう。


普段と変わらない穏やかな雰囲気。


馬車が学園内に入り、ルイが待つ

場所へと到着し降りる際も手を

差し伸べてくれた。


最高学年となれば講義に生徒会と

何かと大変で忙しいのかもしれない。


違和感を感じつつも、思い付き自分が

納得できそうな言葉を並べるも


「フレディ」


ルイと何やら真剣な表情で話している

ディランを眺めつつ隣にいる人物の

名前を声に出すと


「分かっております」


お願いしたい事を言葉にせずとも

伝わっているようで


「お願いね」


そう伝えると、小さいがしっかりと

頷いてくれた。


とは言えフレディは講義を受けている

教室にも校内にも入れない。


そうなると、1番情報を持っているの

同じ教室で講義を受け、休み時間も

共に過ごし、生徒会補佐役員でもある


アメリア。


ただこの数日、アメリアのどこか

雰囲気に違和感がある様に感じ昼食の

散歩の時間にそれとなくマリーや

ルイに尋ねると


「私だけの思い違いではなかったのですね」


マリーの言葉に、


「立場上色々あるだろうからな」


ルイの言葉もあり、


上位貴族ならではの行事や貴族としての

責務が増えているのかも。


そう答えを導き出し2人に伝えると、


「お体が心配ですね」


マリーの言葉にルイと共に頷き、

帰ったらフレディにハーブティーを

調合して、お茶の時に出そう。


自分ができる方法を忘れないように

頭の中に刻み、午後からの講義を受け

放課後


いつもの様に3人でアメリアの待つ

教室へ向かい、中へ入り


「お待ちしておりましたわ」


淑女のお手本の様に品よく微笑む

アメリアにそれぞれの形で礼をし、

授業が開始された。


教育内容は、近隣国の情勢に始まり

この国との関係性など細かな事が

アメリアから語られ、


「情報というのは、曖昧な部分が多く

嘘や偽りも必ず紛れ込んでいます。

1つの情報を見て全容を知ったと

思ってはいけません」


前の人生の様に瞬時に世界中の

情報が手に入る事は無い、この世界


自分の耳に届いた頃には、古い話と

なっている事もある。


「それを見抜くのは知識と経験です。

知っていれば違和感を感じ、調べる

事をすれば回避できますわ」


背筋を伸ばし、はっきりと言い切った

アメリアの言葉は態度も声でも

自らの経験を自信に変えたのだと

思える程で


「はい」


真剣な表情で頷いたマリーに

優雅に微笑み返し


「マリーさんはこの2年、知識を

沢山得ましたわ。だま不安はある

かと思いますが、経験を積む時期

だと。わたくしは思っておりますの」



この部屋から出て、外へ。


その言葉にマリーの顔が強張った。


アメリアもマリーの反応は分かっていた

様で


「最初は、この部屋でわたくしの友人達

から始めましょう」


皆様、マリーさんの事情とを知り協力を

申し出てくださっている方々なのだと、

続けたアメリアの言葉にマリーは思い

当たる人物がいるのか、強張っていた体

から力が抜け、


「よろしくお願いします」


ゆっくりと頭を下げる姿に、心の中で

声援を送っていると、ゆっくりと

こちらを見たアメリアは


「給餌をエスメさん。警備をルイさん。

お願いしますわね」


部屋の主でありるアメリアの言葉に

ルイと共に腰を折りつつ


「精一杯、努めさせていただきます」


この部屋にいる理由をくれたアメリアに

感謝しつつ、


帰ったらマルチダに相談して教えて

貰わないと。


アメリアの友人は上位貴族の令嬢。


間違えました。


なんて事になればマリーの評判に

アメリアの迷惑をかけてしまう。


3日間猶予はあるようで、

今日から明日からはお茶と簡単な

ティーフードではなく、


サンドイッチからスコーンにペストリー

が用意される。


マリーに負けない様に頑張らなきゃ。


心の中で気合を入れ直し、

参加者の情報を話してくれるアメリアの

言葉に耳を傾けた。



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