姉、気をつける事を決めた
昨日の淑女教育のお茶の時間。
アメリアは噂はマリーとよく似た髪色の
女性生徒の行動だと言った。
ルイを馬車の中に引っ張り、生徒会の
仕事が終わり馬車に乗ったディランと
フレディに朝の教室とクラスメイトの話
に加え、その話をすると
「学園内ではアメリア嬢は女性生徒の中で
最高位のお立場。そして殿下の婚約者でも
ある、アメリア嬢の言葉でしたら、
信憑性は高いかと思います」
真剣な表情で自分の話に耳を傾けてくれた
ディランの返事に頷き返すと
「ただ」
濁す様な、言葉にするのを躊躇う姿に
首を傾げると、
「最高位であるアメリア嬢が、下位貴族の
夜会に招待状が届くのかが疑問です」
上下関係の曖昧の部分であり、
暗黙了解
貴族のしきたり
など、様々な言葉で表される線引きに
「なら、誰かから聞いて調べた。と、
いう事だな」
ルイがめんどくさそうに重めの息を
吐きつつルイの考えを言葉に出すと
「そうの可能性はあるかと。
マリーさんは卒業後に王族に最も近い
地位と立場になると聞いております。
噂の出所を調べ、真実を調べるのは
王族か所属予定の教会か高位貴族の
どなたかの当たるかと」
フレディの考えと答えに3人で頷き、
「アメリア嬢がマリー嬢に伝えたのならば
近日中に訂正が入るかと思います」
ディランからの言葉に、大丈夫という
ならとこの話題を終わらせ、他愛のない
話の中、屋敷に到着しマルチダの出迎え
で自室に戻り制服を脱ぎ、ディランと
ルイがいる部屋で過ごし
翌日、書類を済ませ手紙を書き終え
マルチダに手伝って貰い身なりを整え
泊まりとなったルイを含め3人で朝食を
取り学園と向かい
馬車から下り、ルイと共に教室へ
向かう途中、
今日も見てくるのね。
廊下を歩く自分を見つめてくる生徒へ
チラリと視線を向けると
ピンクの髪
マリーの桜色の髪と似ていないけど
同じ色で表現できる髪色に
思わずルイを呼びかけそうになり
動いた唇を慌て閉じ、歩く速さを
変えない様に慎重に歩き、
教室に入り、挨拶をくれるクラスメイト
達に微笑みと共に挨拶を返し、
マリーの姿を視界に入れた瞬間
「濃さの違いって、大きいよね!?」
思わず出た声は想像以上に大きくて
マリーとクラスメイトの声を止めてしまい
「見れば、分かるのにな」
ルイの淡々とした返事にマリーは
先程でた言葉に意図を察したようで
微笑んで入るものの困った様に眉を下げ
クラスメイトも、どこか気まずげな
雰囲気の中、
「噂なんて曖昧で、そんなもんだろ」
ルイの言葉に
「そうね。言葉だけだと自分の中にある
知識で判断しちゃうもの」
間違えても仕方ない。
との意味を含め告げると、硬くなった
雰囲気が緩み、ぎこちないながらも
会話が始まった声が聞こえ、
「ま、信じる前に自分で確かめるのが
必要だよな」
ルイの独り言の様に落とされた言葉に
「そうね。私達も気をつけなきゃね」
「はい。そうですね」
マリーと同じ時に言葉を返しまい、
互いに顔を見合わせ、
何故か面白くなり笑い合っていると
あっという間に講義の時間になってしまった。




