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姉、お茶会を楽しむ


我慢できずにディランに抱き付いて

しまい、


怒られるかも。


と心の隅で思いつつ、ディランを

少しでも気持ちが伝わるようにと

力一杯抱きしめる。


しばらく堪能し、そろそろ離れる

べきかと思いつつも離れ難くて


もう少し、あと少し。


そう思っていいたが、


「エスメ」


お母様から名前を呼ばれ、

名残惜しく思いつつ離れ姿勢を

ただし、お母様と向き合う。


怒れられるかと身構えつつ、

お母様の顔を見ると、微笑ましい

と言わんばかりの柔らかい笑みに

心の中で首を傾げつつも、様子を

伺うと、


「今日は晩餐会を手伝ってくれてた

エスメをもてなす目的だからね」


お母様の横に座る、お父様の言葉に

戸惑いつつも


「ありがとうございます」


お礼を伝えると、


「招待客の皆、エスメの考えてくれた

料理を褒めてくれてね。

誇らしかったよ」


目尻を下げ嬉しそうに微笑むお父様

の表情と言葉に、なんと返事をして良い

のか分からずも


「クック長や皆と頑張った甲斐がありました」


自分だけではなく、キッチンにいた全員に

料理の進み具合を教え、会場まで運んでくれ

た人達もおり、


「私だけではできませんでした。

クック長や皆を褒めてください」


そう伝えると、


「そうだね。働いてくれている皆の協力が

あっての成功だ」


分かっているとお父様の言葉にお母様も

頷いたのを見ると、なんらかの褒賞が

与えられる雰囲気に安堵の息を溢し

紅茶が入ったカップに手を伸ばした。


一口飲み、ゆっくりと周りを見て

改めて状況を整理する。


ディランの発案で2人で社交時期に毎日

行われていたお茶会に、両親が居て

知らなかった自分は驚きつつも

主催であるディランを置いて


遠回しにお付き合いをやめると宣言し

その理由を告げたお母様に同意する

お父様と数日後から始まる新学期で

同じクラスメイトになると言ったディラン


どう考えても、何か起こる。


そうとしか考えられず不安と心配で

ディランに大丈夫だと言われたものの

心の奥底で不安が燻っているが、


自分を褒めてくれる目的のこの場で

出すのマナー違反であり、


楽しん時間を壊す訳にはいかない。


何より数ヶ月ぶりに会った両親を

悲しませることはしたくない。


頭と心にあるアレコレを一度振り払い

お母様との間にあるサンドイッチや

ケーキに視線を向けると、


お母様がきゅうりのサンドイッチに

手を伸ばす姿が見えたので習い同じ

サンドイッチに手を伸ばし食べる。


みずみずしいきゅうりの食感と

塩っぱさとパンの小麦の甘さと

蜂蜜の香りが美味しくて、目を

見開くと、


「美味しいですね」


横に座るディランの言葉に頷き、


「レモンケーキもキャロットケーキも

上手く焼けたとクック長が話してくれ

ました。食べた後、感想を伝えて

あげてください」


続けて教えてくれた言葉に視線を

向けると、2つ並ぶケーキの内

1つが少し大きめに切られており


お父様の言う、感謝と慰労の

言葉を実感でき嬉しくなり

お父様に顔を向けると、


優しげに微笑んでくれ、


お母様に顔を向けると


柔らかく慈愛の笑みを浮かべており


「ありがとう。嬉しい」


嬉しさを全てだしお礼を伝え

そこからは美味しいケーキに紅茶

お父様、お母様から見た晩餐会での

出来事に自分がいたキッチンからの

晩餐会の動きや出来事。


他の屋敷で行われた時に話題に出た

紙刺繍や生活魔法道具の話に


今年も魔法石で作ったジュエリーが

人気の様で


「継続できるように、流行りの型を

入れつつもシンプルな型は残す方針です」


嬉しく思いつつ、ミランダと手紙で

つめた話を両親に話すと、


「いい考えだと思うわ」


お母様と筆頭に頷いてくれ、

他愛のない話から工房の話に

ミランダやミラから届く手紙の内容を

話すとあっという間に時間がすぎ


「今日は王城での舞踏会です」


ディランの言葉に、もう社交の時期が

終わるのだと実感し


「また何があったか教えてね」


いつも、夜会に出かける前に告げる

言葉を今日も伝えると


「お任せください」


聞き慣れた言葉が聞こえ、

準備の為にとお茶会が終了し

全員で屋敷に戻り


それぞれが準備に取り掛かる中、


「今日の夜は何をして過ごそうかな」


1人で食べる夕ご飯後の時間を

どう過ごすか自分のソファに座り

考え出した。



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