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姉姉、様子を伺い進める


晴天とは言えない、薄曇りの空の下

ふんわりと吹く風は薔薇の香りを運び

視界の端には赤い薔薇が咲き誇っている。


ディランと毎日行っているアフタヌーン

ティーは密かに楽しみにしており、


毎日違うで行われ、ディランの気遣いも

感じ、一応にマナーも守って楽しんでいた。


が、今日はお父様とお母様も一緒。


お父様だけならば少しのマナーから逸れた

行為も、仕方ないと眉を下げ許してくれるが


お母様は違う。


最初の会話から自分がきちんとマナーを

学び、覚え、実行できているのかを確かめて

きた。


緊張する。


スコーンを上下に割る動きから、

クロッテドクリームやジャムを乗せる量に

大きな口を開けて食べない様に品よく見える

様に上下に口を開け一口。


焼きたてのスコーンはふんわりとバターの

香りが口の中に広がり、しっとりとした生地は

クリームとジャムを噛む事でマリアージュさせ

すぐさま紅茶をいただく。


毎日、食べているクック特製の美味しい

スコーンなのに今日は味が鈍く感じるのあ

お手本だと品よく食べるお母様の所作に

気を取られているからで、


大丈夫。

領ではミランダに教えて貰ってたし、

お祖母様にも見て貰ってた。


学園では毎日アメリアとお茶会をしてたもの

作法を失敗する事は無い、はず。


いまいち自信を持てずにお父様とお母様の

会話と、ディランの返答に耳を傾けると


どこかの屋敷で学園の生徒達がマナーなど

気にせずに過ごしていた様で、


「お付き合いを考えさせて、いただこうかと

思っておりますの」


お母様は良い印象を持てなかった様で、

今後の関係を離す方向だと告げると


「そうだね。学生だからと許させる域を

超えている様に思うから、リリーの

判断に任せるよ」


楽しくもなく話をするのは、ディランや

自分にも知っておいて欲しい話だと分かる。


夜会にも晩餐会にも舞踏会にも

このお茶会にもマナーがある。


それは周りの人々と食事や会話を合わせる。


1番最初に習う、どの場所にも通ずるマナー。


お母様の話を纏めると、下位の爵位を持つ

学園の女性生徒と一部の男性生徒が

自分達を主体に騒ぎ楽しんだ様で、


身体の特徴から察するに


ボーイックのお姫様であり、

教室へと廊下を歩くといつも視線を

向けてくる女性生徒だと分かった。


物言いたげな視線を向けられるだけで

話しかけられる事も無いので、


大丈夫だと思うも、お母様の

関係を遠慮するの言葉に従い

今後は行動をするべき心に刻み

ディランへ視線を向けると、深刻な表情を

しており、


「ディラン、どうしたの?」


小さな声になるように気を付け尋ねると

視線を落とし考え込んでいた表情から、

瞬きをしたのち、


「いえ、お母様のお話にでた女性生徒は

新学期には上位クラスへ編入すると

聞いております」


突然の言葉に驚きつつ


「クラス編成は無いと聞いた記憶が

あるのだけど」


入学式の時に聞いた話を思い出し伝えるも


「寄付か」


お父様の言葉に、


「あら」


お母様の短い一言には様々な感情が混ざって

おり、どう返事を返して良いの変わらないが、


「ディランと一緒のクラスになる。と、

いう事だよね?」


間違って理解してはいけないと思い尋ねれば


「はい」


頷きと返ってきた返事に、数日後の新学期

が一気に心配になり、思わず呼びかけると


「大丈夫です。お母様のお話もありました通り

関係はお断りさせていただきますし、

話しかけられても他のクラスメイトと同じ

様に対応させていただきます」


言いたかった事を察し先回りして不安と

心配を取り除こうとしてくれたディランの

気遣いに嬉しく思いつつ、


いつもならば抱きつき嬉しさを伝えるけど

お母様の手前どうしても動き出すことができず

にいると、ディランが手を伸ばし、自分の手を

両手で包み込んでくれ


「大丈夫ですよ。姉様」


優しく柔らかな声の言葉に、我慢ができず


「心遣いありがとう。でも、心配なのよ」


勢いの良い言葉と同時にディランに抱き付いた。



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