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弟は気を配る


それぞれに談笑し和やかな雰囲気の中、

静かに戻ってきた2人を視線の端に捉え

たが、主催として立場がある以上、

クラスメイトの話を中断する訳にも

いかず、急く心を見ないフリをして

時折相槌を打ち、会話を進めていく。


本来ならばデビューも済ませ、

両親に連れられ社交界に参加するはずの

年齢ではあるが、


筆頭であるルーク殿下と婚約者である

アメリア嬢が見送った為、それになら

同年代の自分達もデビューを見送った。


親世代も思うことはあるが、理由もあり

理解を示しているので、表に出して

何かいうことはないが、


心配はある。


と言うことで高位貴族の家が打開策として

晩餐を開く事で、対応をしており


それに伴い我が家も晩餐を開いた。


姉の問題もあり、クラスメイトのみの

招待だったが、皆、姉様はクック長が

作った料理を楽しんでくれ、


食後の紅茶にティーフードも喜んで

貰えているようで、


「この、ラトンも普段のチーズの味とは

違いジャムが入っていて美味しいですね」


耳に届くティーフードの感想に嬉しく

思いつつ、いつ話を切り上げようかと

頭を悩ませた所に


「ディラン」


ザッカリーから呼ばれ返事をすると、


「すまないがディランを借りたい」


先殆、話していた人物へザッカリーが

声をかけると、頷きその場を離れてくれた。


「やぁ、ディラン」


にこやかに話しかけてくれたルーク殿下に

会釈をすると、


「美味しい食事をありがとう」


晩餐への褒め言葉に


「ありがとうございます」


恐縮しつつも受け取ると、自分の言葉が

正解だと言わんばかりに頷かれた。


その後ルーク殿下と話したクラスメイトと

変わり、主賓として来賓の動きに注意を払い

つつ終了の合図を出すと、それぞれが

迎えにきた馬車に乗り帰るのを見送り、


先程の部屋に戻ると、ザッカリーと

ルーク殿下を始めルカ様にレジー様、

アーロ様にアメリア嬢もおり、


「お疲れ」


ザッカリーの労りの言葉に頷きで返し

輪の中に入ると、


「素敵な出会いがあってね。その話を

していただんだ」


ルーク殿下の言葉に頷き、姉様の事だと

理解すると、


「廊下で会ったルカに危ないから自分が

先に入ると、気遣いをされたらしくてね」


所々主語が無いが、姉様らしい行動では

あるが、紳士としては思う事はあり


「申し訳ありません」


どう言えば良いのかわからず謝罪をすると


「いや、俺が上手く説得できなかったのが

悪いんだ」


ルカ様の言葉に、姉様から守る対象として

見られた事へ複雑な感情が混ざっており

どう返事をしたら良いのかが分からず

にいると


「まぁ、ルカは細身だからな」


レジー様の言葉に


「まぁ、ルカは武より知だから」


アーロ様の言葉に


「一応、剣も魔術も使えるのですが」


その言葉にルカ様は重めの息と共に

溢すと、


「あの方の優しさですわ。

素直に受け取ってあげてくださいな」


アメリア嬢の言葉にルカ様は頷き

この話題は終わったものの


「そうそう、本を借りることになった

からよろしく頼むよ」


告げられた言葉に思わず額に手を当て

てしまった。





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