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姉、弟と話す


王家主催の社交界から始まった

社交シーズンは毎日の様に何処かの

貴族の屋敷で行われており、


ディランが夜会に行く事は稀で、

お父様もお母様も居ない屋敷は

どこか忙し雰囲気が漂っている。


先日の礼服を身に纏ったディランの

感想をマルチダに数時間に渡り

語ったのも昔の様に感じ、


「お父様もお母様も忙しそうで心配だわ」


夜の食事を終え、紅茶をディランと

楽しんでいる中でこぼした言葉に、


「ええ、厳選したといえ年々招待状を

受ける数が増えておりますからね」


ディランの言葉に首を傾げると


「生活魔法道具に紙刺繍といった

我が領の特産物と購入したい、

自分の領民にその技術を習わせたい。

そう考える領主からの招待が多いのです」


答えをくれた言葉に


「受け入れが足りないという事?」


浮かんでいた疑問を口にすると


「そうです。望む領の人々を受け

入れると移住が保てなくなり、

治安の面でも均等が崩れてしまいます」


真剣な表情の言葉にミランダの手紙の

内容を思い出し、


「そうね。申し訳ないけれどそこは

理解をして貰うしか無いわね」


技術の継承は大事だが、何より

領民の安全が1番大事で大切な事。


それを失う訳には行かない。


「ええ、それを理解して貰う為に

お父様もお母様も死力を尽くして

おります」


「頑張って欲しいけれど、やっぱり

体調が心配だわ」


少し重めの空気と共にこぼした

言葉にディランも頷いてくれ互いに

紅茶を一口飲み、この話題を終わらせ


「3日後、我が家で晩餐会を主催します」


新しい話題に


「ええ、皆が張り切っているから

知ってるわ」


頷きつつカップをソーサーに戻すし

返事をすると、


「仲の良い方々ばかりなので心配は

要らないと思いますが、姉様には

ご迷惑をおかけします」


部屋から出ない事


屋敷に人の出入りが多くなる事


夜遅くまで賑やかな雰囲気になる事


参加をしない自分にディランやお父様

お母様は沢山心を砕いているので、

寂しい気持ちや不安といった事は無い

ので


「大丈夫よ。それにクック長と一緒に

晩餐会で出す料理を作る約束もしてる

し、美味しいご飯を作るから楽しみに

しててね」


何故かお父様お母様の主催の晩餐会で

は私が中心で招待客に出す料理を考え

作らせてくれる。


勿論、お母様よりじゃが芋を使った

料理を中心でと言われているので、

毎年出しているじゃが芋の料理に

違う味にしたり、新しい料理を作ったり

この数日でクック長と話を詰め、


施策を繰り返す。


「楽しみだなぁ」


クック長からどんな話が出てくるのか

自分が考えた料理にどんな反応が

見えるのか。


「楽しみにしてますね」


ディランの言葉に深く頷き返した。



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