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姉、見送る


一輪の薔薇が食卓に飾られてから

あっという間に2年目の学園生活は

終了し、長期休みに入ると同時に


「いいかい。僕もリリーもディランも

今夜の帰りは遅くなる。尋ねてくる

予定は無い。誰が来ても相手にしなくて

も良い」


王家が主催する舞踏会がある為、

貴族籍を持つ家は参加が義務つけ

られている。


「ええ。分かっているわ」


自分1人や屋敷に残す事を心配する

お父様の言葉に頷き、


「たとえ、学園のクラスメイトや

親友だとしてもいけませんよ」


お母様の言葉に頷き、


「できる限り、早く戻りますので」


ディランの言葉に


「心配しすぎよ。私だって留守番

ぐらいできるわ」


心配をしてくれる言葉に嬉しく思い

つつも、接角王城に行くのだから

楽しんで来て欲しい。


そう思い返事を返すと、


「ええ、勿論マルチダもおりますし

騎士団長も他の皆もおります。

が、姉様もの年頃の淑女です」


返されたディランの言葉に、

お父様とお母様の心配すぎる気持ち

と言葉を理解でき、


「ありがとう。部屋から出なくても

良いようにマルチダにお願いするわ」


離れた場所に控えているマルチダに

も聞こえる様に伝えると、正面に

立つディランやお父様お母様からは

マルチダが頷いた様子が見えたのか


「頼むよ。マルチダ」


お父様の言葉に


「かしこまりました」


いつもの様に手本になる程の綺麗な

一礼をしたのだろうと、振り返らな

くても分かり、


「ほら、そろそろ屋敷を出ないと

いけない時間では?」


お父様へ向けて伝えると、

眉を下げ申し訳なさそうな表情に

大丈夫だと伝えようと口を開きかけたが


「エスメももう大人の歳です。

信頼し屋敷を頼みましょう」


お母様の言葉に、お父様は困った様に

微笑み


「行ってくるわね」


お父様の背中を押し、外で待機している

普段乗らない馬車へと足を進め乗り込み


「姉様」


ディランの呼びかけに


「行ってらっしゃい。楽しんできてね」


笑顔で伝えると、


「沢山のお褒めの言葉ありがとう

ございました。行ってきます」


礼服を見せて貰った時の言葉への

お礼の後、背を向け馬車へと乗り込む

姿を見送り、


外から見えない馬車からディランと

お母様お父様へ手を振り見送り、


「エスメ様そろそろお部屋へ」


まだ馬車が見えて入るがいつまでも

玄関を開けておく訳にはいかず、

マルチダの言葉に頷き、


「皆も忙しい中、見送りに来てくれて

ありがとう。おやすみなさい」


玄関で一緒に見送ってくれた、お父様、

お母様の専属の従者さんやメイドさん

にボーイ達にお礼を伝えマルチダと共に

部屋へ戻った。


寝るにはまだ早いが部屋からは出る気は

無い。


折角なので、マルチダに2人分の

ハーブティーを準備してもらい、


「マルチダ、座って」


対面に座る様に伝えるとマルチダも

自分の行動が分かってたのか、腰を

下てくれ


「礼服のディラン格好良かったわ。

身長が伸びたから大人の格好良さも

できてき、舞踏会で注目の的になるかも」


ずっと言いたかった事を言葉に出し

マルチダ相手に話だした。



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