姉、親友達を心配する
講義も順調に終わり、昼食も美味しく
いただき、食後の散歩も満喫でき
午後からの講義も難なく終わり
講義の記憶がなかったから不安だった
けれど、理解でき心の中で安堵の息を
溢し放課後の淑女教育の時間になる。
お茶会や晩餐会での基本マナーを
言葉だけで復習し、社交界での
対話や言葉にしない隠れたマナーを
アメリアの言葉で語られ、
マリーは聞き覚えをしてゆく。
言葉や表現が違えと意味は同じ。
何度も何度も繰り返し、言葉の種類に
言葉に含まれる良い意味、悪い意味を
感じ取れる様にしてゆく。
アメリアの経験も含まれているのか
時に驚く様な意味を含ませる言葉も
あり、
ディランは大丈夫かしら。
聞いているこちらが顔色を変えそうに
なる程に酷い意味の言葉を聞き
ディランを心配もする中、
驚きで体を揺らしマリーの顔色が変る
のをそういう教育で時間なのだと
先立ってアメリアから告げられていたが
流石に見ているだけの自分も堪える。
自分にできる事は、この後の紅茶を
美味しいロイヤルミルクティーを淹れ
るだけしかできない。
必死に微笑み返事を返すマリーと
小さな変化も見逃さない様にしつつも
経験が必要だからと、あえて言葉を
声に出すアメリア。
どちらも辛い立場に居る。
いつもはあっという間に終わって
いた筈なのに、今日は中々時間が進まず
耐えきれなくなり、ティーポットに手を
伸ばし付いている火の魔法石に触れ水を
沸かす。
その行動に気づいたアメリアが
「そろそろ終わりましょう」
終了の言葉を口にし
「ありがとうございました」
マリーが礼を伝え終えるとルイが
2脚の椅子の準備にとりかかる。
ぬるめに出したロイヤルミルクティー
でマリーは一息つけた様で、こわばっていた
表情が解れるのを見て、安堵の息を体の中に
落とし、横に座るアメリアも同様の動きを
認め、
教育と言えどアメリアも心苦しかったわよね。
表情にも態度にもその事を出さないアメリア
を見ていると、無意識に手が伸び頭をゆっくりと
撫ぜており、
慌て手を引こうとしたものの、アメリアが
とろけた様に微笑むのを見て、
アメリアも辛かったわよね。
当たり前のことを改めて思い直し、
心ゆくまで金糸雀色の髪を指で漉きつつ
撫ぜ、それだけでは満足できず
両手を伸ばし、
アメリアを抱き締め、背中を摩ると
ゆっくりと背中に手が回された。
マリーの為とは言えアメリアだった
辛かったはず。
マメリアが離れるまでぎゅっと
抱き締め、校舎を出て帰り道の途中で
足を止めマリーも抱き締めた。
後、数回同じ授業をするとの事。
その時は2人を支えられれば良いな。
そんな事を思いつつフレディの待つ
馬車へ向かった。




