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姉、寝坊する


意識が暗闇より引き戻され

ゆっくりと瞼を開けると、薄暗い

が視界にははっきりと家具の形が

見てとれ、不思議に思い窓へと視線を

向けると、厚手の生地で作られている

カーテンの隙間から太陽の光が見てとれ

不思議に思い体を起こそうとするも、


ねむい


体が動く事を拒否し、眠気が

思考を支配し始め出すと瞼が自然と

閉じていき、


おきなきゃだめなのに


瞼を閉じたことで再びやってきた闇に

流され身を任せた。


耳に何かの音が届き、瞼をゆるゆると

開けぼんやりとしていると


「エスメ様」


小さな声であったが聞き慣れた

マルチダの声に視線を向けると、

前髪を横に動かし額に触れた少し

冷たい感覚に、


「熱は無い様ですか、体調は

いかがですか?」


降ってくる声に強い眠気を感じる

中、


「だいじょうぶよ。

どこもわるくないわ」


上手く口が動かない中で返事をすると


「それはようございました。

もう少し眠られますか?」


小さく頷く姿がぼんやりとした視界の

中見つつ問われた言葉に、


「いいえ。おきるわ」


動きが鈍い思考と重い体を無理矢理

動かしベットから体を起こすと、

背中に手を添えて起き上がる補佐を

マルチダから貰い、その場で顔を

水で濡らした布で拭くと、


ほんの少しだけ眠気が薄まり

ベットから出て部屋の中心に

移動するも


欠伸が出て、いまにも瞼が閉じ

眠りにつきそうではあったものの

何とか着替え、マルチダに髪に

櫛を通して貰っていると


頭がゆらゆらと揺れ今にも

眠りに落ちそうになるが、

何とか耐えきり、


「朝食はいらないので、蜂蜜とミルク

がたっぷりのミルクティーが

飲みたいわ」


動きが鈍かった口も動きやすく

なり、先程より言葉がはっきりと

紡げるようになる。


「かしこまりました」


マルチダの了承の返事の後、

聞こえた扉の開閉音を聴きつつ

ぼんやりとする頭で、厚手の

カーテンを開けた窓からの

差し込む太陽の光をぼんやりと

見つめる。


入ってくる光の角度から、

いつもの起床する時間から

大幅に遅れている事。


先程は朝食と言ったが、もしか

すると昼食に近いのかもしれない。


分かる言葉


寝坊をした。


それだけで、


マルチダに申し訳ない事をして

しまったわ。


主人である自分が寝坊をした事で

日頃の予定が違いが出ている。


心が痛みつつ、未だ動きの鈍い

思考と思い体は動くのが億劫だと

訴えており、


今日は部屋でゆっくりしよう。


本来ならばディランと泊まっている

ルイとで食事やお茶などを楽しもうと

思っていが、今の自分の姿を見せると

2人共心配し、組んでいた予定を変更

してしまう。


だったら明日の考えていた予定を変え

今日は体調を戻す事に集中をしよう。


思考の動きが鈍い中、今日の予定を立て

聞こえてきたノック音に、返事をし、

入ってきたマルチダを見ると手には

トレーがあり、


「クックよりポタージュをいただいて

まいりました。いかがでしょうか?」


紅茶とは別にローテーブルに置かれた

スープ皿とスプーンに、


「ありがとう。いただくわ」


固形物は食べる気持ちにならなかったが

ポタージュならばと、いただくと

野菜の甘みとほんのりとバターの塩味

も感じられあっという間に感触し


「ご馳走さまでした。クックに

美味しかったと伝えてもらえる。

それと今日は部屋で本を読んで過ごすわ」


口直しのハーブ水を飲んだ後、

お願いしたミルクティーをいただき

伝言と頼むり、


「かしこまりました」


一礼したのち、食べ終えた食器を

トレーに乗せ、部屋から出ていった。


蜂蜜とミルクの甘さを味わいつつ

ぼんやりとしつつ本棚に視線を向ける。


読みたい本はある。


が、最近新しい本を買っていない事に

気が付き、じんわりと生まれる物欲と

読んでいない本があるからと諌める

声なき声ににが笑いしつつ、


「よいしょ」


掛け声と共に腰を上げソファから

立ち上がり本棚で今日読む本を

一冊選び、再びソファに戻り

本を開き書かれている文字に

集中した。


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