弟は考え過ぎる
姉様をエスコートをし屋敷に入ると
「お帰りなさいませ」
姉様の体調を心配してかお父様の
専属の従者の1人から挨拶を貰い
「ただいま」
姉様が笑顔で返事を返すと、
安堵の表情を見せた後、腰を曲げ
見送ってくれ、その隣にはお母様の
専属メイドもおり
忙しいお父様とお母様が姉様への
体調の心配している事がわかり
横目で姉様を見ると、
眉を下げながら微笑む表情に
反省をしていただけるようだ。
安堵の体の中に落とし、姉様の部屋へ
送った後、隣にある自室に速やかに入り
「ルイ、報告を頼む」
着替える事もせず、机に向かいつつ
後ろに居たルイに声をかけると
「まぁ、ほぼ全部馬車の中で終えてる
けどな」
その前振りから始まり、
話の内容はほぼ馬車の中で聞いた事に
ルイか見て感じた事が付け加えられ
「エスメの瞳が濁っていくのは、
流石に見ていて堪えるな」
空と大地の表していると言われる
青と茶のアースアイは姉様の感情で
様々な輝きを見せてくれる。
その瞳が輝きを無くし濁るのを
想像しただけで重々しい息を吐き出した。
「途中から呼びかけても返事が無い時に
エスメの顔を覗き込んだら、声には出て
なかったんだか細かく唇が動いてたんだ」
馬車の中で告げられ無かったのは姉様への
配慮か。
ルイの言葉に視線を強めると
「何を言っているまでは読み取れなかった。
が、ディランの名前を呼んでいたのは
確かだった」
姉様が何を思い、僕の名前を呼んでくれた
は分からないけれど、
助けを求めていたのなら、手を伸ばせなかった
事への悔しさに手を握り込むと、
「あんまり思いつめるなよ」
ルイの言葉に自分が下を向いていた事に気づき
顔を上げると、
「エスメの事で心配は分かるけど、考え
すぎると動きが鈍くなるぞ」
見下ろされた視線と言葉に返事ができずに
いると、
「まぁ、エスメの言葉を借りるなら、
そこが、ディランの良さ。何だろうけどな」
重めの息と共にこぼされた言葉に、
揶揄されたと思い睨む様に視線を返すと
「ええ、エスメ様の言葉で言うのならば
ディラン様の良さであり可愛さの所です」
フレディの参戦に自分が不利を察し、
気持ちを落ち着けるために瞼を閉じ
息を吐き出し、素早く吐き出した所で
瞼を開け、
「マリー嬢は光の魔術を発動させた。
その事で間違いないのか?」
聞かなければならない事を尋ねると
「分からない」
返ってきたルイの言葉に、
「どう言うことだ?」
思ったままの感情を言葉にすると
「外からの判断では分からないとしか
言いようが無い。なんせ光った訳じゃ
無いからな」
その言葉に、確かにと納得しつつ
「ならばエスメ様へ直接訊ねた方が
早いですね」
フレディの言葉に頷き返し、姉様の
様子伺いに向かわせようと口を開くも
「まずは着替えを」
フレディの一言に自分がまだ制服だった
事を思い出し、椅子から立ち上がった。




