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姉、買い物支度をする

2023/03/05 誤字修正をおこないました。教えてくださった方、ありがとうございます。


「おはようございます」


久しぶりのメイドの声での起床に


「おはようございます」


同じく挨拶を返し暖かな布で顔を拭いて貰いすぐさまドレッサーへ移動し顔に化粧水や乳液など塗り終わると部屋の広い場所へ移動しナイトドレスからワンピースに着替える。


お茶会の時はスカイブルーのドレスだったが今日は街歩きということでアイボリーの色に沢山のフリルがついておりシンプルな形のワンピースとヒールのない靴を履き、再びドレッサーに座り今度は髪を結って貰う。


「今日は日差しが少しでもあると良いのだけれども」


鏡越しから少し見える外へ視線を動かし溢した言葉に


「先程外の様子を見ましたが雲が厚く日差しは難しいかと」


両サイドの髪を一房取り、器用に編む指に覚えることを早々に放棄し動かない様に気をつけながら鏡に映る様々な物を見て過ごす。


「大変お待たせいたしました」


終わりと告げる言葉と共に視線を鏡に映る自分の顔を見るとサイドの髪が後ろで纏められているからか

スッキリとした雰囲気に


なんだか自分だけど知らない自分が写っており驚きと嬉しさに


「素敵ですね。ありがとうございます」


笑いながら感想を伝えると微笑み返してくれ


「気に入っていただけて嬉しいです」


嬉しそうに返ってきた言葉にさらに嬉しくなり様々な角度から鏡を見ていれば、朝食の準備も整えられ1人黙々とナイフとフォークを使いパンに肉に魚を食べ終わると皿が下げられ紅茶が置かれる。


「街では何か流行っている物はありますか?」


紅茶の道具を片付けているメイドの声をかければ動かしていた手を止め


「最近では隣国のクグロフなる焼き菓子が流行り出しております」


すぐさま蹴ってきた答えに首を傾げ


「クグロフ?」


思わず聞き返してしまうと


「王冠の様な形をした焼き菓子です。なんでも小麦にアーモンドにバターと乾燥させた葡萄などを使い作るそうで」


メイドも聞いた話を知識として教えてくれている為に今1つ味の想像がつきにくいが、


「焼き菓子ならお店に売ってますね。探してみます」


教えていただきありがとうございます。


礼と告げるとメイドの腰を折り1礼で返してくれたのを見て紅茶を1口飲みぼんやりと今日の事を考える。


お祖父様とお祖母様との街歩き。


歩くのはほん少しだろうけどどんな店に行くのかな?


お店で昼食をすると聞いているけど粗相のない様に気をつけなきゃ。


ようやくナイフを持つ手が重さで震えが無くなったまで回復できているとは言え無意識に左手だけで食べてしまう時があるので気を引き締めて昼食に挑まなければ。


紅茶を一口飲むのと同時に気持ちを入れ直し、もう1口紅茶を飲み込むと聞こえてきたノック音に返事をすれば、


「姉様、おはようございます」


ディランと挨拶と


「エスメ様、おはようございます」


フレディからも挨拶を貰い


「ディラン、フレディ、おはようございます」


にっこり笑い返事を返せば、


「遅くなりましたが迎えに参りました」


黒のボトムに白のベストに黒のコート。貴族の子と一目でわかる洋服に想像していた街歩きとは違う様な気がしなくもないが、


「ディラン、カッコ良い。よく似合ってるわ」


背筋を伸ばし凛とした雰囲気のディランに微笑ましくも見惚れつつ感想を伝えると、顔を少し赤くしながら


「ありがとうございます。遅くなりましたが姉様もよくお似合いです」


同じ様に褒めてくれるので嬉しくなり


「メイドさんが選んでくれて髪も結ってくれたのよ」


笑なから一回りすると、


「はしたないですよ」


微笑みながらの注意を貰うも回った事でスカート部分が数枚重なり膨らんでいる事が分かり嬉しくなり


「ごめんなさい」


笑顔で誤りを告げるとため息の音が聞こえたが


「お二人がお待ちです。急ぎましょう」


差し出された手を取り、部屋を出て玄関へと向かって行く。


「まだお見えではない様ですね」


ホッと息を出したディランの言葉に頷き、


「ディラン、さっきメイドさんから流行りの焼き菓子の話を聞いたの。時間があったら買いに行きたいな」


自分より下にあるディランの耳に向かって少し腰を折内緒話をするように声を顰め伝えると、


「ええ。是非行きましょう」


見上げる目を合わせながら頷いてくれるので嬉しくなり


「ディランはどこか行きたいお店はある?」


話を続けると


「いえ、今の所は思い浮かばないので姉様の気になるお店に一緒に行けたらと思います」


小さく首を振り告げられた言葉に


「そう?生活魔法道具のお店にも行ってみたいけど良い?」


首を傾げながら告げると


「はい。是非行きましょう」


微笑みながら頷いてくれたので頷き返したわいのない話をしていると


「待たせたな」


聞こえてきた声に顔を上げればお祖父様とお祖母様が近づいてくるのでディランと1歩程離れ


「おはようございます。お祖父様、お祖母様」


ディランの挨拶に同じタイミングで同じ腰を折り挨拶をする。


「おはよう。エスメ、ディラン」


お祖母様の柔らかな声に顔を上げ


「おはようございます。お祖父様、お祖母様」


微笑みながら挨拶を返すと嬉しそうに微笑みを深くしてくれ


「お待たせいたしました。では参りましょうね」


お祖母様の一言の後にメイドからケープをかけて貰いイルとフレディが開けてくれた扉を潜った。


ディランのエスコートで馬車に乗り、お祖母様と向き合うように腰を下ろし全員が乗り込むと馬がゆっくりと歩き出す。


「今日は是非連れて行きたいお店があるのよ」


ご機嫌なお祖母様の言葉に釣られる様に心が弾み


「楽しみにしております」


笑顔で返事すると何故がお祖父様のどこか困った様な雰囲気に首を傾げるも


「買い物とは私達女性が楽しむ物ですからお気にしないで」


お祖母様のどこか圧があるような笑顔と言葉にディランと共に無言で頷き返した。


「やっと念願か叶うのですもの。本当に楽しみだわ」



第65話


中々街にたどり着かず。申し訳ないです。


手が悴んで動きにくい気温になってしまいました。電気膝掛け買って良かった。


ブックマークに評価をいただき誠にありがとうございます。とても嬉しいです。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

よろしけれお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/

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