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姉、不安を隠す


美味しい紅茶とスコーンをいただくと

空腹だった事に気がついたが、


淑女教育の続きでのお茶会で


何個も何個もスコーンを食べるのは

いかがなものかと思い、


紅茶を飲みながら1個をゆっくり食べ

つつ、アメリアの話を聞きながら過ごす

時間はあっという間に過ぎ、


「では、3日後お待ちしておりますわ」


アメリアの別れの言葉に3人がそれぞれの

礼をし教室から出る。


誰もいない校舎は静かで、薄暗い中

3人で歩き外へ出て、


「私はここで」


「今日はありがとう。良い休日を」


「気をつけて帰れよ」


マリーと別れる際にそれぞれが言葉を交わし

ルイと2人きりになり、少し早足で歩きつつ

フレディの待つ馬車へと無言で向かう。


「お帰りなさいませ」


寒空の元馬車の外で待つフレディの言葉に


「ただいま」


笑顔で挨拶を返すと


「体調が戻られた様でようございました」


フレディ以外の従者さんがいるからか

普段よりかしこまった表情と言葉に


「朝は心配をかけてごめんなさい」


お茶会でのアメリア言葉と雰囲気に

自分勝手の我儘を理解し反省した事を

表に出すと、


フレディは困ったようにほんの少し

眉を下げ


「元気になられたのならば良いのです」


微笑みながらの言葉に、朝のやりとりを

思い出し、申し訳なく思い改めて謝罪を

と口を開くも


「寒さは体に堪えますので、どうぞ中へ」


馬車の扉を開けたフレディの言葉に


「ありがとう。そうだわ、ルイも

中でディランが来るまで待ったら

いいわ」


頷きと後ろに立っていたルイへ声を

かけ、強引にルイを馬車の中へ乗せた。


ゆっくりと閉まる扉を確認し、


「今日の事なのだけど」


互いに正面に座った瞬間に話したかった

事を声に出すと、


「報告した方がいいだろうな」


主語のない言葉だったもののルイには

伝わった様で、真剣な表情と共に

帰ってきた言葉に頷き、


「そうね。ディランが帰ってきたら

話をするわ」


屋敷でもいいけれど早くディランの

心配を晴らしたい


馬車の中で話すのがいいわよね。


重めの息をこぼしつつ、


「ルイも一緒に話をして欲しいの

だけどお願いしてもいい?」


寮へ帰らなければならないルイに

無理なお願いをすると、


「構わないぜ」


すんなりと頷いてくれ


「ありがとう」


お礼を伝えると


「昼前からのエスメの状態は俺から

話が方が理解しやすいだろうしな」


領にいた時の様な少年の笑顔に

懐かしくも頼もしく感じ、


「いつも、ありがとう」


改めてお礼を言うと、


「なんだよ急に、気にすんなって」


子供達の面倒を見ていた時に良く

みた包み込む様な雰囲気に、

安心しつつ、自分の両手を握り込んだ。




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