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姉、気持ちは尊重したい


甘く濃厚な匂いに気がついてから数日

毎日、ボーイックから匂う香水は、

鼻が慣れる事はなく、


今日も匂うなぁ。


講義中のふっとした瞬間に気づくと

もう意識が匂いに向けられ、最近では

教授の声を聞き逃す事が多くなっており、


どう言えばボーイックに伝わるのかな。


最近では夢中と言うよりのめり込んでいる

ボーイックに、前の人生で推し活とよく似て

いて微笑ましさを感じているのは自分だけで


クラスメイトは皆、距離を置きつつも動向を

探る様に見ている。


もし、前の人生で推し活の様な意味合いで

香水をつけているのならば、


そうお願いしたいのだか、もしかすると

夢中になってる女子生徒の好みの匂いならば


身に纏う量を抑えて欲しい。


そう、お願いをするのも難しいかも。


誰だって大好きな人のことを思い、行動を

した事を注意されると不愉快に思うわよね。


どうしようかなぁ。


匂いに意識をとられ教授の声の隙間に

考えていると講義の時間は終わり、


様子を伺おうと隣の席にいるボーイックに

視線を向けたものの、姿は無く。


早い。


1秒でも長く女子生徒といたい気持ちは

解る。


これが若さか。


明後日な方向の感想を抱きつつ、

マリーに視線を向ければ、何か考え込んで

おり、体を動かし後ろの席に座るルイに

向けば、


ルイも同じ様に考え込んでおり


さっきのそんなに講義が難しかった?


考え事混んでいる2人を眺めていると、

先にルイが顔を上げ


「エスメの言っていた匂いが分かった」


真剣な表情の言葉に、


「はい。確かにこれは囚われるの表現は

間違いではないかと」


マリーが続けた言葉に香水の話だと分かり


「今日は匂いがしたの?」


気づいてから数日は自分以外誰も気づかず

3人で首を傾げていた中での言葉に、思わず

尋ねると


「はい。香りがするのかどうかに集中をして

いると初めは微かに匂って、気づいてからは

濃くて濃密な甘い香りが匂ってきました」


マリーの深い頷きと共に、


「俺は香水というのを詳しく知らないが

こうも匂いが強いと、気分が悪くなるやつ

もいるかもな」


2人の言葉に頷きつつ、


なぜ、この数日気づかなかったのに

今日は気付いたのか、引っかかりつつ


「そうね。少し注意というか控える様に

お願いをしようと思うのだけど、良い

言葉が思い浮かばなくて」


先程まで考えていた事を伝えると、


「難しいですね」


「あの女子生徒の為の香水だろうしなぁ」


表情を崩さないまま頷いてくれ、

周りにいたクラスメイトも話が聞こえて

いたらしく、香水の話をすると


自分たち以外の全員が匂いがしていないと

言われ、マリーとルイで顔を見合わしたが


皆に匂いが広まる前に対策を取る事にし

全員で考え色々な案をくれたので


「ありがとう。参考に考えてみるわ」


クラスメイトの意見と言葉を参考に

昼食後にボーイックに時間を貰い

話をする事に決め、次の講義の時間が

迫っていたので席に戻っていく中、


廊下から教室に入ってきたボーイックを

視界にいれつつも、講義の準備に入った。


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