姉、表す言葉を探す
何度か匂いに意識を取られつつなんとか
講義が終わり10分程の休憩を取ると中、
今日は集中力が良く切れるなぁ。
気分転換するのにルイとマリーと共に
クラスメイトの話を聞き、時に笑ったり
首を傾げたりしながら過ごし、
午前中の講義を終え、昼食を手早く終え
ルイとマリーに無理を言い庭園に散歩へと
誘い、
「なんだか、甘い匂いがしない?」
程々に校舎から離れた場所まで来た時に
ルイとマリーに問いかければ、
首を傾げ
「匂いですか?」
「無いなぁ」
マリーもルイも不思議そうにしており
「なんと言うか、甘くて濃厚で魅惑的な」
鼻の奥に残る匂いをなんとか言葉にし
分かって貰おうと必死に頭を回転させ
「えっと、あ! ほら。
前に嗅いだ甘い匂いに良く似てる匂いなの」
思い出した事を伝えると、ルイの眉間に
皺がより、マリーが真剣表情へ変わり、
「えっと、多分」
あまりの表情の変化に言ってしまった事が
いけない気持ちになり言葉を濁し
「そっかぁ、私だけなら良いんだ」
曖昧に笑い話題を終わらせ様と舵を
切ったが
「けど、なんでエスメだけ匂いを感じた
んだろうな?」
ルイの言葉に、
「確かに。ボーイックさんの後ろに座って
いるのに、なんの匂いもしないのは
何故でしょうか?」
マリーも首を傾げながらの言葉に
「実はボーイックは香水をつけて
なかったりして」
なんだ怖い方向へ話の方向へ向いたので
ワザと明るい声を出し返事を返すも
ルイもマリーも心配げに眉を下げ
無言で見つめられ
「えっと、うん。確かめます」
午後からの講義の時間が迫っていたため
足早に教室に戻り、
改めて、講義に集中して教授の話を真剣に
聞いていると、ふんわりと鼻に甘い匂いに
気付き
集中しつつ匂い元はどこか探る。
多分、ボーイックだと思うんだけど。
ふんわり匂うと言うより、
縛られると言うか?
投網を投げられて引っかかった?
心の中で首を傾げつつ、午後の講義を終え
マリーの淑女教育も終え、お茶会の時間になり
「エスメさん。流石にその表現はいかがなものなの」
匂いの感想を感じたまま言葉に出した結果
アメリアの眉間に微かに皺と眉が微かに上がり
「そうね、表現かぁ」
鼻の奥に残っている匂いに改めて意識を集中し
合う言葉を探してゆく。
甘い
濃厚
絡み付く
意識がとられる?
コレは違うか。
1人良い表現見つからずが唸っていると
「全部、声に出てますわよ」
楽しそうに小さく笑いながらのこの言葉に
自分の状態に気付き
「大変、失礼いたしました」
淑女教育のお茶会だった事を思い出し、
お詫びの言葉をすれば
「以後、気をつけてくださいませ」
アメリアの許しの言葉を貰えたので、
マリーと視線を合わせ小さく笑い合い
そのままお茶会を終えた。
ルイと共に馬車に戻りディランと
フレディが馬車に乗り込み暫くすると
また、甘い匂いに気付いた。




