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親友は悩む


「噂というのは信憑性が欠けると言うのに

なぜああも、広がるのが早いのかしら」


マリーさんの淑女教育とエスメとルイとの

楽しく心休まるお茶会を終え、


生徒会室へ赴き、今日の淑女教育の報告を

し、屋敷へ帰り制服から室内ドレスに

着替え出してくれた紅茶を一口飲んで、


最初に出た言葉に


「皆様、好奇心旺盛な方々ですので」


困った様に眉を下げながら専用メイドの

言葉に


「皆、エスメみたいに自分から違う行動を

して日々を楽しんだらよろしいのに」


重めの息と共にはした言葉に


「中々その思い付きができないものですよ」


さらに眉を下げた専属メイドの言葉に


「確かに、そうかも知れませんわね」


納得ができ頷き返せば


「アメリア様は毎日を違うスケジュールで

過ごされておいでです。そして幼き頃より

人々の注目を受けているお立場」


物心ついた時には自分の専属としていた

人物の言葉に無言で頷き続きを促すと


「そう、常に視線と噂されるお立場だと、

わたくし達も教育係も口煩く言い続けました

のでアメリア様にとっては日常で心を

乱されても、整える方法も習得していた

だきましたが」


言葉を切った事で、これから言う言葉が

重要なのだと示されたので、カップを

ソーサーに戻し聞く体制をすると


「これから皆様の視線を向けられ、審議の

疑わしい言葉の中心にその身を置かれる

マリー様を思うと心配でなりません」


孤児であり平民から上位へと身分が変わる

マリーさんを様々な感情を込めて貴族は受け

入れている。


稀とされる光の魔術は傷や病気を治し

心を安穏へと導く。


その場に居れば、それだけで心安らぎ

安心感をもたらす存在。


できれば早くマリーさんを配属して欲しい

その声も各所から上がっているが、

国王様と王妃様、それに王都の教会が


まずは知識と経験を。


外交の場にもマリーさんは出席し、

要請があれば国外にも行く事になる。


知識無しで外交と称し何かあれば

国と国の問題として当然扱われる。


その事は判っているのは高位の立場と

少数の下位貴族のみ。


時を見て王妃様やお母様がお茶会で

ご婦人達を呼び、それと無く話しているが

理解できていない者をいると言う。


わたくしも、それと無くクラスの皆さんや

下位の皆さんにも伝えてはいるが、


「彼女の問題をどうにかしないと

いけないわね」


自分の婚約者と噂の女子生徒をどうにか

して欲しいと言うばかりでこちらの話を

一向に聞いてはいない。


自分の婚約者なのだから、自分で解決しなさい。


そう言いたいが、上に立つ者として

頼りに思われ心を痛め縋る様に相談に来た

女子生徒を突き放す訳にもいかず。


「男子生徒は卒業後の事も考えて行動をして

いるのかしら?」


婚約というのは個人の希望もあれば、大半が

家同士の関係で契約される事になっている。


その契約を守るのは当たり前であり、

対人関係については個人の自由である。


意に沿わない婚約もあるので、

互いによい距離を保ちつつ過ごし子を

なすのか1番であるが、


勿論、養子という選択肢もあるが

どちらの血から養子を貰うかの話し合い

そして、どちらの分け隔て無く領運営する

ように教育をするのが前提ではあるが、


現実、そうそう上手く行くモノではない。


歴史の中に答えは出ている。


「どうしたものかしらね」


回答が出ない問題に頭を悩まし、溢れて

しまった言葉と共に


女子生徒は伝手を使い学年関係無く上位

クラスの男子生徒とも接触を図ってきている。


このままでは学園全体の問題になってしまう。


エスメさんにお願いして彼女と連絡を取る

事も視野に入れるべきかしらね。


今では職業夫人として紙刺繍工房を取り

仕切ってはいるけれど、


元は次期王となる人物の婚約者だった。


自分と同じ立場だった彼女ならば、

どの様に考え策を取ったのか知る事ができる。


結果、失敗で地位も名誉も無くしたが、

楽しそうに過ごしている姿と隣国の現状を

見れば


わたくし達から見れば


試合に勝って勝負に負けた。


と言える。


一部の方々に希望を与え、その機会を

受けれる様に体制を作っている。


隣国はさぞ悔しいでしょうね。


心の中で嗤い


彼女との連絡は最終手段かしらね。


連絡を取れば、よい案をくれるだろうと

確信し


「まずは自分の力で解決しないと

いけませんわね」


決意と言葉にし、残っていた紅茶を飲み

ソファから立ち、女子生徒で困っている

生徒と親友へとお茶会の招待状と手配の

準備をする為に机に向かった。


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