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弟は表情が出やすい事を知らない


学園からの帰り道。


本日は普段と違い、アメリア嬢主催の

高位貴族の淑女を招いてのマリー嬢の

お披露目という名のお茶会があり、

生徒会業務の時間もどこか雰囲気が違ったが

無事に終了を迎えたと報告を貰い、

殿下を始め皆で胸をなぜ下ろし、


「明日、リア本人からどの様な雰囲気

だったか報告をくれるだろう」


安堵の表情の殿下の言葉に


「ええ。対応によってはマリー嬢の

クラス編成を強く進言しませんいけませんね」



ルカの言葉に、毎日教室で起こった事を笑顔で

楽しそうに話す姉様の事を思い出し、頷く事が

出来す聞くだけにとどまっていると、


「後、1年程。魔術は精神安定が左右する事も

分かってきている。移動させる必要も無いと思う」


アーロの言葉にレジーも頷き


「淑女教育も計画以上に進んでいと聞いている。

ならば現状維持でも良いのでは?」


ザッカリーの言葉にルカが


「僕もできる事ならばそう思いますよ」


困った様に微笑みと共に返す姿を眺めつつ

一年以上ほぼ毎日共に過ごし敬称を外し身構えて

話す事がなくなった自分が生徒会に馴染んだ事を

実感しつつ話に耳を傾けていると、


「ディラン今日で君の憂いも晴れる訳だけど、

浮かない顔をしているのはどうしてかな?」


ルカからの声かけに、気を付けていたつもりでは

あったがそんなに表情に出ていたのかと、自分の

顔に手を当てれば、


「ま、毎日会ってれば些細な変化は分かるものさ。

ましてや親友の表情はね」


殿下の勿体無い言葉に恐縮しつつ、


「お心配りありがとうございます。

その、大切な人の事が」


言って良いものかと悩みつつも、殿下のお心を

煩わせるわけには行かず濁しつつも言葉にすると

皆から、優しげな笑みを向けられ首を傾げると


「うん。そんな気はしてたし、予想もできてたし

知ってもいた」


アーロの言葉に皆が頷き、


「ディランの大半の悩みの原因だかなぁ」


ザッカリーのどこか呆れた言葉に少し怒りを

覚えたものの、


「あんなに毎日大好きだと言われ態度に表されれば

そうなるよな」


レジー納得の表情と頷きに急に恥ずかしさが芽生え

返事を返せないでいると、


「ディラン、仲良き事は良い事だよ」


ルカの言葉に荒れていた心が静まり小さく頷き

返事とて返すと、


「さて、皆、今日の業務は終わったな」


殿下の言葉に一斉に皆が頷き、手元に広げていた

資料や書類と片付け、手早く帰りの準備を整えた

のち生徒会室を出てそれぞれの従者と馬車が待つ

玄関へと向かう。


自分たち以外居ない校舎を歩き、他愛の無い

話で笑い合い、時に流行り物の品評などの話を

しつつ玄関を出て馬車を視界に入れれば、

姉様とフレディにルカが視界に入り、


寒いから車内に居て欲しいとお願いをしたのに。


心配と


笑顔の表情が見れた事での嬉しさと


安堵感


が入り混じりつつ、


「申し訳ありませんが、ここで失礼いたします」


殿下を始め親友達に別れの挨拶をすれば、


「ああ。また明日」


代表として殿下から挨拶をいただき、

急く気持ちを抑え込み、早足にならぬ様に

気を付け姉様が待つ馬車へと近づくと


「お帰りなさい」


嬉しそうに笑い向かてくれた姉様の表情と

声に、心の中で安堵の息をこぼしつつ


「只今、戻りました」


普段通りを装い返事を返したのち


「寒いので中へ」


車内に入るように促すと頷いてくれたが、

首を促し殿下方を視界に入れたかと思うと、

小さく手を振っており、慌て


「姉様」


小さな声で呼び意識を逸らせ車内へと誘導し

お詫びの意味のも込め殿下方へ向きフレディと

共に頭を下げると、


気にしていない。


殿下方は微笑み許してくださったが、


明日、改めて謝罪をしなければ。


頭の中に重要事項として刻み、


「ルイ、寒い中長い時間感謝する。ありがとう」


姉様の護衛として共に居てくれたルイへ礼を

伝えると、


「気にするなって。頑張れよ」


気の良い笑顔と共に付け加えられた言葉の意味を

尋ねようと口を開くも、


「ディラン様、お乗りください」


フレディに急かさせ、尋ねる事ができないまま

馬車に乗り込み姉様の正面に座り、フレディが

座ったのを確認したのち、馬車がゆっくりと動き出した。



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