姉、親友に感謝をする
殺風景の教室もアメリアがマリーの為にと
机を最低限の4脚のみだけ残し、入室を
許される理由として準備されたティーセットも
邪魔なにならない様に片付ける棚もアメリアが
持ち込み整えられた部屋。
アメリアが教鞭を取っている時は糸を張った様に
緊張感がある雰囲気があるも、ルイと2人きりだど
見慣れた教室でも、
いつも自分が淹れている紅茶を今日はルイが
淹れてくれ、
「ほらよ」
なんでも無い様に前に置いてくれた。
紅茶の香りの楽しんだ後、カップを持ち
一口飲むと、爽やかな香りが口の中を広がり、
冷えていた体がゆっくりと温まってゆく。
2人正面に座り、いつもなら自分の隣にいる
アメリアとルイの横にいるマリーが居ない風景に
慣れずに誤魔化す様に紅茶をもう一口飲みソーサーに
戻す。
賑やかなお茶会も2人だととても静かで、
中々体験できない静けさを楽しみのも良いわね。
そんな風に思いティーフードであるエッグタルトへ
手を伸ばし、一口いただくとルイも釣られたのか
同じくエッグタルトに手をのばし一口齧った。
ほんのりと暖かいエッグタルトは濃厚のカスタードの
味がし
「美味しい」
ポツリと感想を溢すと、
「そうだな」
ルイから短い返事が返ってきた。
暫く静かなお茶の時間を楽しんでいたが、
ルイからの何か言いたげな視線に気づき促すと
「ボーイックの事だけどさ」
できた名前に驚きつつも、ルイと同室だった事を
思い出し、
「どうしたの?」
続きを促すと
「あの女子生徒の熱を上げているのは変わらず
なんだけど、前は寮の部屋も寝る以外に帰ってこない
日が多かったけど、今月辺りから帰ってくるのが
や早くてさ」
告げられた言葉は教室にいるボーイックから
なんとなく想像でき納得でき頷き返すと、
「最近は下位貴族だけではなく中間の貴族の男子生徒
にも声をかけている。て、ぼやいてたんだ」
なんと返事を返して良いのか迷う内容に、
納得する自分がどこかに居て、
「前に聞いたディランの事も狙っているんだと思う」
緊張を孕んだ言葉に、表情をこわばらせつつ、
「そう。ディランと良い関係が作れるなら私は」
ディランの交友関係に口を出すのはと思い告げた
言葉は
「本当にそう思っているのか?」
ルイの真剣な表情と怒りの色がある視線で止められ
「あの女性生徒とディランが結婚しても良いと
思ってるのかよ?」
向けられた言葉は喉元に突きつけられて剣先の様で
出かかった言葉を飲み込み、
「それは」
言葉を濁すと
「エスメはさ、もっと自分の意見を伝えた方が
良いと思うぜ」
反らせれる視線のまま告げられた言葉に曖昧に
微笑み返すと
「色々考えてるのかもしれないけれど、言わないと
後で後悔しても知らないからな」
忠告をいただき、
「そうね。言ってみるわ」
お礼と言葉にするのも違う様な気がし、頷くと
実行することを伝えると、
「エスメ大好きのディランだし、何言っても大丈夫だって」
背中を押してくれる言葉に笑いながら頷き返した。
ルイが話したい事を終えたのか紅茶を一口飲んだので
同じく一口飲み、心を解し
「最近はどうなの?」
ミランダとの手紙はどう?
そんな意味を込めて尋ねると
「送ってない」
さらりと一言が返り、理解が追いつかずにいれば
「卒業して帰るまで、手紙のやり取りはしないって
決めたんだ」
さらに告げられた言葉に
「なんで!?」
淑女らしからぬ声で尋ねると
「別に、意味はねぇよ」
そっぽを向いてしまったルイに、脱力感を感じつつ
「良いの?それで?」
ルイが決めた事なのでお節介だと理解つつも
尋ねれば、
「帰って、ミランダが惚れた人が横にいたら応援する
っ決めてんだ」
そっぽを向いたままの言葉に、手紙で知っている
ミランダの情報を伝えるのは違う気がし
「そっかぁ」
ルイが決めた事を尊重する事を決め頷きと賛同を
込めて返事を返した。




