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姉、準備を手伝う


緊張をしているマリーを見守りつつ

昼食後には3人で庭へ散歩をして

気分を変える為に、庭に出て肌を刺す

様な冷たい空気を身体の隅々まで行き渡らせ、

落ち着かない心と体の切り替えを図る。


昨日、綻び出していた薔薇の蕾は開いており

見るものを虜にする様な赤い薔薇は、

そこか誇らしげにしており


「こんな寒い日なのに、枯れずに咲くんだな」


ルイの薔薇を見た感想に


「日当たりが良いのかもしれないわね」


返事を返すと、


「確かに。ここだけ日が良く当たりますね」


周りを見渡したらしいマリーの言葉に

ルイと共に頷き、しばらく見つめた後

その場を離れ、ゆっくりと歩い出す。


以前の様にボーイックと女子生徒がいるの

ではと警戒をするが、食堂を出る時ボーイック

に声をかけているので、今日は居ないはずと

思いつつも、つい周りを見渡してしまう。


ルイやマリーから見たら不審な動きに思え


庭を楽しんでいると思って貰えると良いのだけど。


自分の行動に別の意味を付け、尋ねられて時の

答えを用意しつつ、見つけた花の前で立ち止まり

花の感想を言葉したのち、歩き出す。


何度も繰り返していると、あっという間に

講義の時間が近づき、庭から校庭へ歩いている

途中、木々の間から女子生徒とボーイックでは

無い男子生徒を見つけてしまい、


貴族クラスは講義の時間のはずでは?


互いの為に貴族の生徒と平民の生徒が会わない

様にと配慮された時間割を思い出し、首を傾げ

つつも、時間が迫っている為に少し早足で

教室に向かった。


午後の講義を落ち着かない気持ちで受け終え

淑女教育で使用している部屋で3人で行くと

アメリアが待っており、


「マリーさん、こちらへ」


アメリアが事前に用意していた椅子に座る

様に伝え、マリーが戸惑いながらも腰を下ろすと


「そのままでも素敵ですが、少し手を加えさせて

いただきますわ」


優雅に微笑んだ後、装飾が施された瓶を手に取り

掌に数滴落としたと思えば、手の平で擦り温めた後

マリーの手を取り


「カップを持った時に綺麗に見える様にしますわね」


そう伝えながらマリーの手を包み込んだ。


何度か繰り返しているのを見て、保湿をしている

のだと理解をし、アメリアとマリーに近ずき、

用意されている櫛を手に取り、


「マリー髪を触るわね」


触れる許可を貰い、毛先から櫛を通し最後は

頭皮優しく撫ぜる様に通していると、


「こちらのオイルを使ってくださいな」


アメリアの言葉に頷きオイルを数滴、掌に落とし

温める様に擦るとふんわりと薔薇の匂いがし


「良い匂いね」


思わず溢れた言葉にアメリアが嬉しそうに微笑み


「お気に召していただき光栄ですわ」


マリーの爪にオイルを塗りながら返事をくれた

事が嬉しくて、マリーの毛先から浸透させるように

ゆっくりと塗って行く。


2人がかりでマリーの見出しを整え、


「では、行きますわよ」


「はい。よろしくお願いします」


そんな2人のやり取りを見守り、


「行ってらっしゃい」


「頑張ってこいよ」


ルイと共に見送り、ドアから出て行く2人が

見えなくなると


自分達のためにとアメリアが準備してくれた

ティーセットとフードを頂くために、机に

移動すると


「俺が準備するから座ってろ」


ルイの言葉に驚きつつも、


「ありがとう」


その言葉に甘え椅子に座った。



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