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姉、親友を気遣う


アメリア主催のお茶会の日が明日に迫り

緊張をしているのか、少し落ち着きの無い

マリーの雰囲気にクラスメイトは首を

傾げつつもマリーの立場を理解している為に

言葉に出す事はせずに、見守る体制に入り


「マリー、落ち着けと言っても無理なのは

分かるけどな」


ルイの声に少し強張って微笑みと共に


「大丈夫です」


少し震えた声で返事を返す姿に、


「昼食を取った後、気分転換に庭に散歩に

行きましよね」


マリーの意見を聞かずに強引に決定で

予定を決めて伝えると、


「はい。お願いします」


頷き返してくれたので、自分も頷き返し

今日はゆっくりと話し午前中の講義を

受け終え、


「食べれないかもしれないけれど、明日の

為に少しでも食べた方が良いわ」


緊張が高まっているのか、笑顔さえ強張り

だし食欲はあまり無いのかパンを持つ手が

止まっており、


食べる様に促すと、小さく千切り口へ

運びだした。


これでは明日の放課後まで持ったとしても

体調を崩してしまうかも入れないわ。


スープを無理を言って全部食べさせが、

パンは半分以上残し、メインの魚には

手を付けれず、返却の際に


「申し訳ありません」


厨房に居るクック達に謝る姿をルイと共に

見守り、クラスメイトに一言告げてから

マリーの手を引き庭へと出た。


ひんやりとした空気を体の中に取り込むと

背筋が伸びる様に身が引き締まる。


数度深呼吸をしているとマリーも習う様に

深呼吸をし、緊張をしていた体に酸素が

入った為が先程よりも顔の強張りが取れ

やや顔色も戻っている様に見え、


無理をしてでも連れ出して良かった。


緊張をしていると、取り込む酸素も

少なくなり、心身の動きが悪くなる。


そうなると、起こりもしない悪い事を

想像してしまったり、動きが思う様に

できず怪我をしてしまったりもある。


前の人生で世界一になった人や、

体の事を調べていた人が声を揃え

言っていた。


疑っていた訳ではないが、実感がなく

何となく聞き、お覚えていた事が役に

たった様で、嬉しく思いつつも、


このままで寒さで風邪をひいてしまうわね。


寒さで体の芯まで冷えた自分と震え出した

マリーを見て、こっそりと火と風の魔術を

発動させ3人の周辺だけを暖かくする。


寒さで強張っていた体をホッと息を出し

緩めたマリーとは違い寒さなど感じていない

様に見えたルイに


鍛えたら寒く無くなるのかな?


内心首を傾げつつも、


「せっかくだし、歩きましょう」


残り少ない休憩時間だけど、せっかくならと

庭を歩き出すと、


「ご心配をおかし、ごめんなさい」


マリーの言葉にルイと視線を合わせた後、

立ち止まり


「心配はしたけれど、私が自分勝手に心配をした

だけのだから謝らないで」


マリーの肩を撫ぜ伝えると、


「嬉しかったです。ありがとうございます」


力無く微笑んだ姿に心が痛むも、


「少しでも気分転換になったなら嬉しいわ」


見ないフリをしマリー肩から頭に手を伸ばし

ゆっくりと桜色の髪と共に頭を撫ぜ続けていると


「歩くんじゃなかったのかよ」


ルイの言葉にマリーと共に顔を見合わせ、

何故が笑いが込み上がり、互いに笑い合った後


「ごめん。行こう」


待たせてしまったルイに謝り、マリーと手を繋ぎ

歩き出した。


寒さの中でも誇る様に咲く薔薇を眺め、小さな

花々を見つけ、他愛のない話をし歩いていると

半歩前を歩いていたルイが足を止め、どこかを

見つめたので同じく足を止め、同じ方向を見たが

木々に覆われ何も見えないながらも、


「話し声?」


無意識に溢してしまった口に慌て手で塞ぎ

ルイの様子を伺うと、警戒をしている様に感じ

マリーを背に隠し、いつでも動ける様にルイの

様子を伺いつつ、聞こえてきた声に集中すると


男性と女性の声で


とても、聞き覚えがある声でもあった。


「ボーイックさんと女子生徒さん?」


背中に居るマリーの言葉に何となく事情を察し

離れる様にルイに伝え様とするも


「彼は、ルーズヴェルト家の嫡男だよ」


ボーイックの声でディランの事が話されており

つい聞き耳を立てると


「お友達になりたいの。仲良くで居るかしら?」


とても良い意味でのお友達ではない雰囲気の言葉に

女子生徒の声に怒りが沸点を超えそうになるが

マリーと握っていた手が自分の怒りに気付いた様で

力強く握られ、冷静さを取り戻し


「繋ぎを付けれないかやってみるよ」


ボーイックの言葉に再び怒りが込み上げてきたが

ルイに視線で咎められた為に無理やり抑え込み

警戒と興味で動けずにいたが、


「そろそろ講義の時間だから戻るぞ」


ルイの言葉に渋々頷き、マリーの労わるように

優しく繋いでくれる手に引かれ教室に戻った。




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