姉、微笑ましく見守る
アメリア主催のお茶会の日が間近に迫り
お茶会の練習に力が入るが、茶会マナーだけ
を行う訳にはいかず、
アメリアの親友の名前に家の歴史に領の
特徴や特産物など覚え直しに今流行りの物が
どこの領の特産で街の商会の良品の扱いなど
どの会話が来ても困らない様に情報を見直し
ている中、
「学園の一室で行いますので、制服で参加ですわ」
ドレスの流行りを確認している最中に交わされた
「皆様、どのようなドレスの型と色を身に纏われる
のでしょうか?」
マリーからの質問にアメリアが返した答えだった。
ルイと共に壁に控え2人を見守り聞こえてきた
会話に心の中で
制服で行うのね。
ドレスでのお茶会だと思っていたのでアメリアの
言葉に意外に思いつつ
そっか。放課後に開催だからドレスを持ち込めないし
手伝うメイドさんも学園に入れないもんね。
部外者禁止を厳格に守っている学園にたとえ雇い主
からの依頼であっても、
皆平等と掲げている以上、次期王妃や高位貴族の
お願いであっても通らないのか。
頭の片隅でそんな事を考えていると、マリーも
同じ事を思ったらしくアメリアに伝えると、
「まぁ。わたくし達は生徒達の見本となる
立場ですのよ。そんなマナーに違反する事は
致しませんわ」
誇り高いアメリアの言葉に流石と思い
尊敬で心の中で拍手を送っていると、
「と、言いましても貴族籍を持つ全員ができている
と言う訳ではありませんから、難しい所ですが、
だからこそわたくし達だけはとご友人と話して
おりますのよ」
困った様に眉を下げ続けられた言葉に、
ルイとマリーと3人で深く頷いて返事を返した。
ノブレス・オブリージュ
気高くあれ。
社会の模範として振る舞うべきだと言う社会的責任。
王族、貴族1番最初に教えられる言葉と意味で、
ディランがフレディから教えられていたなぁ。
大きなソファに座り真剣な表情でフレディを見上げ
聞いていた出来事を思い出し、思わず頬が緩みそうに
なるのを頬を噛んで抑え込み、真剣な表情と真面目な
雰囲気のアメリアとマリーに意識を向けると、
「制服とおっしゃるなら私は今着ている制服で、
参加します」
胸を張り高らかに告げるマリーに、アメリアは驚いた
表情をしたものの直ぐに感情を落ち着かせ、
「マリーさんの制服ですが手配が済んでおりますわ」
自分達と同じ貴族クラスの制服を準備した事を
告げたアメリアにマリーはゆるりと首を振り、
「私は平民クラスにおります。お茶会の時だけ
違う制服は違うと思うのです」
自分の意思をはっきりと告げたマリーは
「アメリアさんのご親友ならば、私のありのまま
を見て判断して貰いたいのです」
続けた言葉にアメリアは微笑み
「わたくしを信頼していただけて嬉しいですわ」
マリー同じ様に返した姿に、
互いに気遣い信頼しているのね。
2人の関係を微笑ましく思い、お茶き当日までに
制服を綺麗にする事などで盛り上がったおり、
楽しくも微笑ましく見守っているとルイから
「なぁ。そろそろ、休憩させなくて大丈夫なのか?」
小さな、本当に小さな声で気遣いに
我慢していた頬が緩み
「ありがとう。準備するわね」
返事を返し、紅茶の準備に取り掛かった。




