姉、理解を示す
「マリーさんにはわたくしの主催する
お茶会に参加して貰います」
その言葉を告げられた次の日から、
淑女教育はマリーの希望で改めて
お茶会のマナー確認の時間を多めに
取り、細かな作法の修正と基本の
繰り返しの日が始まった。
ソーサーからカップを取る作法は
出来ても、カップをソーサーに戻す
時に音を鳴らさない事に集中しすぎて
体っが強張り、出来ていた事ができなく
なってしまい、
「マリーさん。自分を信じなくては
いけないわ」
怒るでも無く、叱るでも無く、
穏やかな声で顔を強張らせているマリー
にアメリアは声をかけるが、
「申し訳ありません」
下を向き誤るマリーに困った様に微笑み
「わたくしの言い方も悪かったわね。
わたくしの親友達が集まってのお茶会なの。
そんなに怖がらなくても良いのよ」
そっとマリーの肩に触れゆっくりと撫ぜ
「皆、マリーさんが初めてのお茶会参加
のお茶会に参加でき光栄だと喜んでいたわ。
勿論、マリーさんの事も理解しての言葉よ」
同級生の友達を慰め励ましているアメリアの
姿は貴族の淑女ではなく、平民の自分達と
同じ行動で
「わたくし達は幼い頃にお母様の付き添いで
お茶会に参加したけれど、失敗を沢山し
それを経験として今があるの」
ゆっくりと紡がれる言葉の中に懐かしさと
大切な思い出がある様で、柔らかく微笑む
アメリアの表情を眺めつつ、自分の事を
思い出しながら耳を傾ける。
「緊張で上手くでき無い時は当たり前にありましたわ。
でも、お母様のご親友は誰1人笑わなかった。
どうしてかお分かりになりになる?」
アメリアの問いかけに下を向いていたマリーが顔を
上げたもののゆるりと首を振ると
「お母様もご親友方も全員、同じ経験をしたから
失敗し恥ずかしく悔しくて情けなくて消えたい
気持ちを理解し、暖かく見守ってくれたからですわ」
大切な思い出のようでアメリアは淑女の微笑みの戻し
「失敗をし、それを経験としてえ受け入れ自分のもの
変えて、今のわたくしがですの」
最高位貴族の家に生まれ、学園内では女子生徒
最高位の立場であり、また殿下の婚約者でありる。
生まれた家の立場としてのマナーに教育に加え、
次期王妃としての教育もあったはず。
アメリアからは幼い頃の話をあまり聞いた事が無い
けれど、前の人生でよく読んだ物語の様な、
厳しい教育があった。
それに伴い様々な感情も体験もたけれど、全てを
受け入れたといつたアメリアの強さに尊敬しつつ
当日、その場に入れない自分な歯痒さの中
マリーを見守ると
「勿論、それはわたくしだからできた事で、それを
マリーさんにやりなさいとは言いませんわ。
人それぞれの心身の違いがありますもの」
申し訳なさそうにアメリアが微笑み
「本来ならばもっと時間を掛けて学んび習得して
いただくマナーを短時間でと無理をお願いしている
のはわたくし達貴族籍の我儘ですわ。
それなのにマリーさんは受け入れ習得してくださる。
感謝をすれど笑者にする者はわたくしの親友達には
おりません」
そんな事、わたくしがさせませんわ。
何があっても守ると言ったアメリアにマリーは
顔を強張らせながらも微笑みつつ
「いえ、私なんかに。そんな」
遠慮がちに返事を返せる様になったらしく、心の中で
安堵の息を吐いていると
「それがいけませんわ。私なんかだなんて自分が自分を
落としていけません。誇れとは言いませんが、自分は
自分の最高の味方でなくてはいけませんわ」
優しげの声と雰囲気が消え、嗜める言葉にマリーが
はつりと瞬きをし言葉の理解ができないと示すと
「口がよく動く方々やわたくしの動作を細かく見ている
方々に負けそうな時に、わたくしの声に出せない感情を
代わりに言ってくれるわたくしに、感情を全固定してくれる
わたくしが常に一緒にいてくれますの」
マリーが理解しやすいように伝えるアメリアの考えに
理解でき納得しめす中、
「はい。わかります」
いまいち理解できていないマリーの返事に、
「とても心強く絶対に裏切らない味方ですわ」
誇らしく胸を張り告げたアメリアが幼子の様にみえ
可愛くて微笑ましく思っているとチラリと視線を
向けられたので、蜂蜜とミルクたっぷりの紅茶と
マリーが気に入っているカフェにスコーンを温め直し
「そろそろ休憩をされてはいかがですか?」
雰囲気を変える為にアメリアの指示に従い、
声をかけた。




