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姉、見落としに気付く


自分が関わった事が知らない間に話題に

なっているだなんて思ってもおらず、

講義を受けている間中、心臓の音が大きく

時に不定期に高鳴り、


中々集中出来ず、幾度ともく教授からの

視線を向けられ内心慌てふためいたが、

何でもないと表情を作り、午前中の講義を

乗り切り、昼食を取る為に食堂へとクラスの

全員で移動する。


この時ばかりもボーイックも目的に女子生徒は

貴族クラスの為に会えないので、仕方なく共に

昼食をとっている。


そんな姿に最初は皆はそれぞれの反応を示し

苦言した者もいたが、本人に理解が得られない

為に、諦めた者もいれば、受け入れた者に

自分なりに距離を取る者と自分なりの対処法で

過ごす中、


乱れた心臓は落ち着かず、お腹が空かないまま

手に取ったパンを小さく千切り食べていると


「エスメさん」


正面に座るマリーの呼びかけに食事の手を止め

パンを置き、顔を向けると


「大丈夫ですか?」


自分の姿を心配そうに伺う姿に、微笑み


「ありがとう。大丈夫よ」


ミランダに習った淑女の微笑みと共に返事をし

今度はスプーンを手に持ちスープを飲む。


何とか残さず食べ終え、使用した食器を返す

食堂の方々に食後の挨拶と美味しかった旨を

伝え、一緒に居るルイとマリーに


「気分転換に散歩をしてくるわね」


振り向き様に告げ返事を待たずに少し早足で

食堂を出て静かな廊下を歩く。


身を震わせる冷たい風を身体中に行き渡らせ

暖かかった体を冷たくなり震えそうになると

暴れていた心臓も落ち着きのなかった思考も

冷静になり、


「私の事を心配して、教えてくれなかったのかも」


こぼれ落ちた言葉に、様々な感情が混ざっている

事に気づき苦笑いする。


先んじて教えて欲しかった気持ち。


ディランと共に喜びたかった気持ち。


自分だけがしたなかった悲しさと寂しさ。


あらゆる感情の一つ一つが表に出て来て

主張をするので丁寧に理解を示し声に出さない

言葉を使い同意し納得をしてゆく。


その中には理解しがたく認めたくなくて

言い訳の言葉が並ぶ中、固定し自分の感情に

理解を示し、どんな言葉と感情でも否定せず

にいると目を背けていた感情にも区切りが

つけられ、


「せっかくだもの。帰ったらディランとフレディに

聞いてみよう」


私が知っていると話したたどんな反応と表情を

してくれるかしら。


思いついた悪戯心に楽しみを見出し、屋敷に

戻ったら話す事を決め、庭を目的もなく歩き続ける。


薄曇りで気温が低い為が誰にも会わず、自分の速さで

歩き続けているが、


そろそろ戻らないと。


午後からの講義の時間に気づき歩いてきた道を戻り

つつ、


確か、数学と歴史に諸外国の言葉の授業だったっけ?


これから受ける講義の時間割りを思い出しつつ、

歩くと、


庭に来た目的を突然思い出し、急いで周りを

見渡したが自分以外の人影は見えず、立ち止まり

その原因を探すと


「そうだわ。ディランと昼食の時間がずれているから

休憩時間も会えないんだった」


基本的な事を気付けておらず、思わず肩を落としそうに

なったものの、


「気持ちの整理もでき、良い気分転換になったし

来て良かったかも」


感情の整理が出来ず受けた授業の記憶はほぼ無く、

予習をしていたので教授からの視線に応える事が

出来たが、


戻ったら復習をしっかりしないと駄目ね。


少し重めの息を吐き、気持ちを切り替え教室へと

向かった歩き出した。




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