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姉、思わぬ評価を貰う


教室に向かう途中、視線を感じそちらを向けば

見慣れた人物が視界に入り、その周りには

ボーイックを始め数人の男子生徒に囲まれており

少し視線をずらせば、何か言いたげな女子生徒達と

男子生徒が周辺に居り、


見慣れてしまった風景に思わず苦笑いをしそうに

なり慌て顔の筋肉を引き締めた。


女子生徒の周りにいるボーイックを始めとした

男子生徒は家が裕福で金銭面に余裕がある下位貴族

で、周りにいる女子生徒はその婚約者。


そして、その周りにいる男子生徒は女子生徒に

袖にされてしまったが、横に立ちたいと願う生徒

だとクラスメイトから聞いているが、


改めて見ると、女子生徒の周りには男子生徒が

多くおり


ディラン大丈夫かしら?


年齢を考えればそろそろ婚約者がいても良い頃で


お付き合いを始めれば、彼女がディランの

婚約者になるのかしら?


それとも学園に在籍しているだけのお付き合い?


両者がそれに納得していれば良いけれど。


一旦止めていた考えが再び動き出してしまい、


2人の姿を見ていない今、考えても答えは出ないと

分かってはいるものの、考える事は止まらなくて


お昼に確かめなきゃね。


頭の中で答えを出し、考える事を止め教室に

入ると元気な声で朝の挨拶を貰えたので、同様に

挨拶を返し自分の席へ進み


「マリー、おはよう」


先に席についていたマリーの背中に挨拶をすると

スラリを立ち上がり髪が揺れない程にゆっくりと

振り向き


「おはようございます。エスメさん、ルイさん」


優しく穏やかな笑顔と声で挨拶を返してくれ


「おはようさん」


ルイの崩した挨拶にも微笑みで返しており


マリーの動きも日に日に良くなってきてるなぁ。


光の魔術があると分かり、頷く以外の答えしか

与えられず行われている淑女教育だったけれど、

拒否する事なく受け入れ、努力し身に着けて

今や自然と振る舞える様になった。


会えない場所で頑張ってきたのだろうが、

そんな事を悟らせないマリーの凄さと心使いに


「今日も素敵ね」


言いたい言葉は沢山あるができる限りの

最大級の褒め言葉を伝えると、


はつりと瞬きをした後、はにかみながら微笑んで

くれた。


今日もマリーが可愛いなぁ。


そんな事を思いながら机に教科書やノートを

入れて行き、講義の準備を終えると待ってましたと

ばかりに数人の女子生徒が挨拶と共に来てくれ


「エスメさん。聞きました?」


今、学園で旬話題や街で流行りの物事を教えてくれ

るらしく、


「何かしら?」


興味を示し返事をすると、


「最近、高位貴族の間で紋章を入れたティーセット

を持つ事が流行り出しているらしいの」


「なんでも、辺境伯様が自慢げに国王様にお披露目

したらしくて」


「とても素敵なティーセットだったとらしくて、

大変羨ましいとがったんですって」


3人よればやかましと言われるが、中々街へ

行けない自分への女子生徒の心使いに嬉しくもあり

驚きの情報に、返事を返せないでいると


「へぇ。アレだろ?魔法石がついたティーセットだろ?」


ルイが代わりに返事をしてくれ、


「聞いた事あります。王家の集まりに辺境伯様が

とても大切に持ってきて誰にも触れさせなかった

とか」


マリーから通過された情報に驚きすぎて、思考と

心が停止する。


「そうなのね。街でも密かに話題になっていて、

高位貴族が全員購入を希望してるらしいけれど

制限があって中々難しいらしいって聞いたわ」


「アレでしょ?辺境伯様のカップの柄を考えた方

には頼めないから、王家が腕の良い絵師を探し

ているとも噂が流れてるらしいわね」


秘め事でも無いのに何故か声を顰め交わされる

言葉が理解できず頭の中に残っていく。


「その絵師さんも今まで誰も知らない人らしくて

商人達が躍起になって探してるんだって」


聞こえてきた言葉に思わず声が出そうになり

喉の奥で無理やり抑え込んでいると、


「まぁ、お気に入りの様ですし、辺境伯様が

お抱えになっているのでは?」


マリーの言葉に皆が瞬間口を閉じた後


「そうよね。変わり者で有名な辺境伯様が

囲わない訳ないわよねぇ」


「確かに」


「辺境伯様だもんねぇ」


皆が納得しており、内心首を傾げつつ

視線でルイに


皆の辺境伯様の認識について質問をすると


小さく頷かれた。


確かに会って早々に抱く上げられたけれど

変わり者ではないと思うな。


領での思い出を引っ張り出し、己の感想を

心の中でつぶやいていると講義の時間が迫り

慌てて自分の席についた。


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