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姉、気遣いを貰う


「如何されました?」


ルイと別れ馬車に乗り待つ1人の時間


明日の昼食休みの時間に庭を歩いてみる。


そう決め考えに区切りをつけたもののいざ

馬車に入ってきたディランとフレディの姿を

視界に入れると、どこからとも無く思い出し

気を抜くとディランに尋ねてしまいそうになり

気付かれない様に違う話題に切り替えるが


心配そうに眉を下げ気遣う雰囲気と共に

尋ねられた言葉に、返す言葉が詰まったが


「大丈夫よ。何もないわ!」


心配させまいと勢いと大きな声で返事を返して

しまい、自分だから分かる小さな変化だが

悲しげな表情になったディランの反応に逆効果

だったと分かり、


「違うの。ディランに心配する程の事では無いのよ」


これは聞いた話を素直に受け入れられない自分が

うだうだ言い訳をし、認めたく無いだけなの。


勢い良く出かかった言葉をグッと飲み込み、

奥底に隠れていた本心が表に現れ、同時に驚きと

困惑。


自分の中にこんな感情がある事を知り愕然となり

ながらも、


「お心使いありがとう。私の我儘で申し訳ない

のだけど話せるぐらいに気持ちの整理が

できるまで時間が欲しいの」


ディランの心配が取り除ける様に言葉を作り

伝えると、何か言いたい言葉があったのか

抑え込んだ様に見えた後、


「分かりました。何かお役に立てる事が

ありましたらご遠慮なく申しつけてください」


紳士の微笑みと共にくれたディランの優しさに

悲しませてしまった心苦しさと優しい心つ使いを

くれた嬉しさに、愛おしさが混ざり、


正面に座っていたディランに勢い良く抱きつき


「ありがとう。大好き」


力一杯抱きしめ、思いの丈を言葉にすると

背中に腕を回してくたかと思うと、そっと

背中を撫ぜてくれ


「ありがとうございます」


言葉に出せない思いを行動に表してくれ

さらに愛おしさが溢れ、


「本当に大好き」


さらに力を込め抱きしめると、背中を撫ぜてくれた

手が数度あやすように優しく叩いてくれ、隣に座る

様に行動で促してくれたので、


優しい子に育って嬉しい。


心の中で叫びながら、抱きしめた腕は離さないまま

従い隣に座れば、


フレディも同じ長椅子に座っている為、身動きが

取りにくく感じ


「ディラン、大きくなったのね」


数ヶ月前までは少し余裕があった筈なのに、

もうキツく感じる程になっており、しみじみと溢すと


「ありがとうございます。ですが姉様も

素敵な淑女になっておりますよ」


柔らかな声で告げられた言葉に


「ありがとう」


気遣いもできるディラン、本当に良い子。


久しぶりにディランを抱きしめ、屋敷へと戻った。



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