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姉、動揺を必死に隠す


最近、忙しくしていたからかクラスの話題に

少し着いていけていない気がし、


「そうだったのね。気が付かなかったわ」


クラスメイトに心の中で驚きつつ、教室の外に居る

ボーイックの方向に視線を向ける。


クラスメイトの話では、


ボーイックの女神さんは他の男子生徒と2人きりで

出掛けては贈り物をさせている。


ここまでは、毎日の様に聞いている出来事だったが、


最近、上位貴族と話ているのを見た。


その上位貴族は鷹色の髪と瞳を持っていた。


話に出てきた特徴に動揺しかけたが、気持ちを悟られ

ない様に習った淑女の微笑みで誤魔化し続きを聞き

続ければ、


「その、貴族はディラン様だったと聞いているわ」


最も近くにいる人物の名前に、何か出かけた言葉を

ぐっと堪え、返事を返さないでいると、


「話している距離もかなり近かったとらしいわ」


「ディラン様の腕に触れていた時もあったらしいわね」


「ディラン様は紳士な対応をしていたらしいけれど」


それぞれから出てくる言葉の語尾からして噂話の

様ではあるが、


火の無いところに煙は立たない。


街に出かけた際に聞いたディランの言葉を

思い出しディラン自身に尋ねても良いものか、

話を聞いきつつ頭の片隅で考える。


揶揄うつもりは無い。


けれど、ディランの横に立って忙しいディランを

支え助け合える関係を作れる人なのかが分からない。


ディランに事の真相を聞いてみるべきかしら?


何より、本当にディランだったのかしら?


漣の様に現れては消える不安が心の中を満たそうと

する。


不安定な心を感じつつも、


「教えてくれて、ありがとう」


心が揺れ動く時こそ、淑女であれ。


どこからともなく聞こえたミランダの声の言葉に

従い、淑女の微笑みと落ち着いた声に気を付け

話しを教えてくれたクラスメイトにお礼を言い


何か言いたげなルイとマリーの視線と態度に気付き

視線で大丈夫だと返事を返し次の授業の準備を始めた。



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