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姉、弟が可愛い


ディランと共に学園から帰ってきてから

街で買い物をした商品の確認と仕分けを

行う事になり、


ディランの部屋に並べられたレターセットに


いつの間にこんな買ったのだろう?


店で商品を見ていた記憶を思い出しても

半分程しか思い出せず、首を傾げていると


「色違い柄違いもありましたので試しに

購入してみました」


さらりディランの口から出た言葉に


「そうなのね?ありがとう」


戸惑いつつもお礼を伝え1枚1枚手に取り

紙質や色に柄を見ていく。


淡く優しい色もあれば、濃くしっかりと

色が出ている紙もあり、


「生産者の違いかしら?」


全て人の手で作られているからこそ、

一見見ると同じに見える紙もよく見れば

似た色となっており、


「見ていて飽きないわねぇ」


ポツリと溢した言葉に


「そうですね。繊維の違いもあるのでしょうか?

中々、奥深いですね」


ディランの返事が返り、


「紙刺繍に対応できそうなレターを1枚だけ

とっておき、交渉の参考にするのも良いかと」


フレディの提案に


「そうだな」


ディランが頷いたので、フレディにソファに

座る様にお願いをし3人で1枚つづ抜き

無くさない様に管理をする準備を行いつつ


「そういえば、ディランは何か買ったの?」


フッと浮かんだ疑問を尋ねれば


「はい。購入をしました」


しっかりとした頷きの後、ソファから立ち

上がり机の引き出しから何かを取り出し、

大事な物なのか慎重に持ち再びソファに座り、

見せてくれたのは


「馬?」


木で作られた馬の置物で


「ええ。隣国のお守りとして取り扱われていて

いると聞きました」


倒れない様に慎重に3匹並ぶ様に置いた

ディランの姿に


可愛いなぁ


なんて呆けていたら、


「よろしければ、貰ってください」


先頭にいた1匹の馬を手に取り両手の上に乗せ

言葉と共に差し出されれば、考える事もなく


「ありがとう。大切にするわね」


色などは塗られておらず木の香りをふんわりと

鼻に届き、嬉しさで馬を見つめていると


「フレディにも」


少し恥ずかしそうにしつつ、自分の時と同じ様に

両手で渡しており、


「ありがとうございます」


従者の微笑みで礼を伝えたフレディに


内心、飛び上がらんばかりに嬉しいくせに。


ほんの少し冷たい目で見ていると


「今は明るい色をしておりましが、月日が経てば

色が変わると聞きました。どのように変化が

起こるのか楽しみですね」


自分の視線など気づきもしていない態度と

告げられた言葉にディランが興味深げに

馬の置物を見ており、


「そうだな」


嬉しそうに微笑みと共に馬の置物をひと撫ぜ

した姿に


今日も可愛い。生きてて良かった。


声に出せば大袈裟とも取れる感情だけど、

ディランがいる世界なんて考えられず、


ありがたい事に毎日が幸せ。


貰った馬の置物を撫ぜながら、ディランと

フレディの姿を眺めつつ幸せな気持ちに

浸った。



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