姉、手紙を読む
休日が終われば、学園に通う日になる。
いつもの時間に起床し、サイドテーブルの
果実水を飲み、その足で机に向かい届けられた
報告書を読んでゆく。
馬車で1週間近くかかる領から届く書類は
過去数値と届く日にちを計算され書かれた
計画書がある。
今日は報告書の様でになれた数値の少しの変化
はあれど悪くなっている事はなく、
街で領の皆が作る商品と購入する人を目にしてから
毎日何気なく見ている書類も
生活魔法工房も紙刺繍工房も大丈夫ね。
安堵の息を溢し書類を整理し、私用の手紙へ手を
伸ばす。
見慣れない文字に封筒に首を傾げつつ、手紙を
取り出し開くと、何処か幼さを感じつつも細く
流れる様に書かれている文字に成長を感じ
微笑ましく思い読んでゆく。
季節の挨拶から始まり領で過ごす日常。
最近では勉強だけでは無く、ミラのお母さんの
指導の元で料理の習い始めたらしく、
良いお嫁さんには必要だもの。
それに、大好きな人には喜んで貰いたいわ。
ミラの頑張りに納得と尊敬をしつつもまだまだ
幼い子供の頑張りと
フレディも愛されてるわね。
ミラの思いを微笑ましく思いつつ、
多分、フレディにもミラの手紙が届いているはず。
どんな事が書かれているのかしら?
好奇心で尋ねたくなってくるが
2人の事は2人に任せた方が良いわよね。
そう自分に言い聞かせ好奇心を抑え、手紙の
続きを読んでゆく。
領にいる子供達は遊びをしたり教会や本屋に行き
勉強をしたり、元気に過ごしている様で時に
他の領から移住してきた子供達に積極的に声を
かけ仲良くしている事も書かれており、
元気に過ごしている姿を思い浮かべつつ、
返事を書いてゆく。
王都の事、ディランとフレディと街で買い物した
事、フレディとルイの様子などを書いていると
そうだわ、ミラも将来学園に通う事になるの
だから、学園の事も詳しく書かないと。
思い出した事を文字にし書いてゆく。
クラスの様子にクラスメイトの事
マリーとアメリアの事。
何より大事な授業の事を書いていると
あっという間に5枚を超えそうになり
そろそろ終わらせないとダメね。
まだまだ書き足らないけれど、流石に
これ以上増えたら封筒に入らなくなるので
無理矢理締めの言葉を書き、
書き足らなかった事は明日新しく書いて
送ろう。
気持ちを切り替え書いた手紙のインクが
乾く様に並べているとノックの音が聞こえ
返事をすると
「エスメ様、おはようございます」
マルチダの朝の挨拶に
「おはよう」
返事を返し、いつもの様に手紙の蜜蝋を
手伝って貰い、その後身なりを整え
聞こえてきたノックに返事を返せば
「おはようございます、エスメ様」
フレディが朝の挨拶と共に姿を見せた
ので
「おはよう、フレディ」
同じく朝の挨拶を返し、聞きたい事を
グッと堪え3人で隣の部屋にいるディランの
元へ向かった。




