表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

596/751

姉、弟を見守る


朝食後に食休めの紅茶をいただき

話す事は昨日の各店で思いついた事。


他愛の無い話を話す様にディランと

フレディに伝えると、ディランが問題点や

疑問点などを聞いてくれるので、それに

返事をしたり3人で考えたりとして内容を

詰めていく。


初めて魔法石を作った時も生活道具へ

取り入れたい伝えた時も、今と同じ様に

雑談をする軽さから始まった。


なんだか懐かしいなぁ。


数年前の出来事を思い出しつつも、

ディランとフレディが話の内容を紙に書き写し

お父様に提出する書類を作り、必要な資料も

探し出してくれる。


何か手伝える事は無いかな?


忙しそうに部屋を出入りしているフレディと

ソファに座りながらも動かしている手を止め無い

ディランにただ座って話をしていだけで座っている

だけなのが申し訳なく思い始め左右に首を動かし

手伝いができそうな事を探すと


「姉様、そのままで」


ディランに呼びかけられ少し上げていた腰を下ろし

書き物に集中しているディランを見つめる事になった。


その後も何度か忙しくしているフレディの手伝いをと

腰を上げかけるもディランに呼び止められ、


時に、


「姉様、先程呟かれた言葉はどういう意味ですか?」


無意識に溢した言葉や、思った事を溢してしまった

言葉を尋ねられて困惑しつつ、どう思っての言葉か

説明をすると、


「なるほど」


頷きと共に納得されたり、何かが解決できた様で


「ありがとうございます。参考になりました」


お礼を貰ったりと自分では理解できないが、ディラン

には役に立っている様で


良かった。


と思いつつも1人マルチダが入れてくれた紅茶を飲み

過ごす。


懐かしい気持ちと共に少しの居辛さを感じながらも

昼が過ぎアフタヌーンの時間になるが、


ディランはフレディを呼び書庫へ資料を探して欲しいと

告げており、


休憩を入れさせたいけれど、少し様子を見るべきかしら?


集中力を切らさないディランを心配しつつ、マルチダを

視線で呼び


「蜂蜜たっぷりの甘いミルクティーを淹れて欲しいの」


小さな声でお願いをすると


「かしこまりました。飴も用意いたしますね」


ミルクティーはディランとフレディ用だと気づいてくれ、

自分用に紅茶と飴を持ってきてくれるとの言葉に


「ありがとう。お願い」


お礼を伝え準備をして貰う。


マルチダが来たら強制的に休憩を入れさせなきゃ。


数時間も続けていると集中力が切れかかっているのか

ディランの手の動きも遅くなっており、


「ディラン」


意識を自分に向けさせる様に呼びかけるが、聞こえて

居ない様で再び


「ディラン。休憩をしましょう」


少し大きな声れ呼びかけると、紙を見ていた顔が上がり


「いえ、もう少し」


否定の言葉を貰うが


「駄目よ。集中力が切れかかっているわ」


はっきりと断りの返事を返すと、眉を下げ困った表情に

自分の意思が弱まりディランのお願いを聞いてしまいたく

なるが、


ここで負けては駄目よ。


頷きかけた首を振り、


「少しだけ、休憩をしましょう」


姉としての立場を思い出し、なんとか意思を貫き通し

資料を抱え部屋に戻って来たフレディも捕まえ、


マルチダの淹れてくれたミルクティーと気を利かせ

持ってきてくれたサンドイッチを2人に食べさせ、

その間に空気の入れ替えをと窓も開ければ、

部屋の雰囲気がガラリと変わり、


「晩餐までに区切りをつけます」


ディランの言葉にフレディが頷き、


「無理はしないでね」


了解と頷き、書類に向かったディランの姿を

見つめた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ